製品を通じた社会課題の解決

TOYO TIREは創業以来70有余年にわたり、たゆまず技術革新を積み重ね、社会の変化や進化を捉え、社会課題の解決に貢献する製品・サービスを世界中のお客さまにお届けしてきました。

TOYO TIREの革新的なテクノロジー

多様な人々の社会参加を支える

日本をはじめとする先進国では、急速に進む人口減少や高齢化、あるいは自然災害などにより生じる交通弱者への対策が課題となっています。TOYO TIREは製品・サービスを通じて、多様な人々の社会参加を支えるモビリティ社会に貢献しています。例えば、当社グループが生産する自動車部品に、路面から伝わる衝撃や振動を吸収・緩和するエアサス(空気ばね)があります。エアサスはバスやトラックに採用されており、利用者や積み荷への負担を軽減します。また、路線バスではバリアフリー対応として乗客の昇降を助ける車高調整機能も担っており、人々の日常生活における安全で快適な移動を支えています。

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除雪トラック専用スノータイヤM925が2018年度グッドデザイン賞を受賞

除雪トラック専用スノータイヤ「M925」除雪トラック専用スノータイヤ「M925」

当社が2017年7月に発売を開始した除雪トラック専用スノータイヤM925が2018年度グッドデザイン賞を受賞しました。
M925は、除雪トラックのために開発した専用タイヤです。近年、高速道路における除雪作業の主流が、従来の大型建機を用いた低速の除雪作業から、高速除雪作業へと変わってきています。M925は、方向性をもった異形V字型のパターンデザインにより氷雪路面においても強力な駆動力を発揮できます。これまでの高速道路での除雪作業は、雪による大きな抵抗を受けるため、車両を直進させることが難しく、ドライバーに高い運転スキルが必要でしたが、M925の装着によりドライバーの負担軽減を可能にしました。
今回の受賞に際し、審査委員からは「除雪車専用タイヤという発想が新しく、除雪車の使用状況とそのタイヤに求められる条件を検討することによって、独自のトレッドパターンが生み出されている点が、外観ではなく機能から必然的に生み出されたデザインとして評価できる。また、結果的に得られたパターンデザインはその機能がよく表されている。いかにもしっかりと雪をとらえそうな印象があり、外観的にも魅力が生まれている。」との講評をいただきました。

顧客ニーズの高度化へ対応する

社会環境の変化とともに、モビリティにかかわる人々の価値観や当社グループに対するニーズも高度化しています。当社グループはステークホルダーからご要望のあった課題を解決するだけではなく、新しい気づきや喜びを提供することを目標として製品開発に取り組んでいます。例えば、当社が開発した近未来型エアレスコンセプトタイヤ「noair(ノアイア)」は、ガソリンスタンドのセルフ化や電気自動車の自宅充電、カーシェアリングの普及など、モビリティ社会の新たなニーズに対応するため、メンテナンスフリーの追求とスペアレスソリューションの具現化を目指しています。「noair(ノアイア)」は2017年に、エアレスタイヤとしては業界に先駆けて、乗用車装着での高速走行が可能なレベルへ到達しました。

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タイヤ空洞共鳴音を効果的に低減する独自デバイスを開発

電気自動車やハイブリッド車の普及など、モビリティ環境が大きく変貌しつつある中、より静粛性の高い車内空間が求められる傾向にあります。TOYO TIREはより快適なモビリティ社会の実現に貢献するため、独自の静音技術「Toyo Silent Technology(トーヨ-サイレントテクノロジー)」を搭載した製品開発等に取り組んでいます。
タイヤが路面と接触する際に、内部の空気が振動して発生するノイズは、タイヤ空洞共鳴音と呼ばれ、車内騒音の一因となっています。当社は、このノイズ発生の原因となるタイヤ内部の空気が、実際の車両走行時にどのような状態にあるかをシミュレーションによって可視化し、これにより判明したタイヤ内部の空気の流れを活用したノイズの低減に取り組みました。
こうした当社独自のアプローチにより、空気の流れの方向(空気の通り道)に多孔フィルムを配置し、「発生する音が穴を通る構造(デバイス)」を考案しました。実車試験では、このデバイスを搭載することで空洞共鳴のピークを大幅に低減することができました。今後はデバイス搭載タイヤの製品化と市場展開を検討していく予定です。

考案した静音デバイス考案した静音デバイス

気候変動リスクに対応する

モビリティ業界では、低燃費・低排出ガス技術の向上や、エンジン車に代わる次世代モビリティの開発など、今後想定されている気候変動に起因するさまざまなリスクへ対応する技術開発に積極的に取り組んでいます。当社も、エネルギーロスを抑制する素材加工技術や低燃費タイヤ、次世代モビリティ用自動車部品などの開発に取り組んでおり、それらの製品をグローバルに展開することで、モビリティ業界における気候変動リスクへの対応に貢献しています。例えば、当社は電気自動車(EV)メーカーのGLM株式会社とEV車両向け足回りモジュール(複合部品)の共同開発に着手しました。道路状況に合わせ、自動車の各種緩衝装置を自動制御して揺れや振動を緩和することで滑らかな乗り心地を実現する自動車部品の開発を進めており、2020年中の製品化を目指しています。

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独自の「モビリティ・エアロダイナミクス技術」を確立

自動車の空力特性を高めること(自動車が走行する際に受ける空気抵抗を低減すること)は燃費性能の向上につながります。また昨今普及が進む電気自動車においては、空力特性を高めることで1回あたりの充電における走行距離を延伸することができます。このように、次世代モビリティ開発において空力特性の理想的な状態をより正確に把握することは社会的意義があり、その技術は産業的価値が大きいとされています。
走行中の車両全体が受ける空気抵抗のうちの約15%はタイヤの回転によるものであり、走行時のタイヤ周辺で生じる空気の流れを解析し、コントロールしていくことはモビリティ全体の燃費向上につながります。当社は、車両走行時のタイヤへのさまざまな条件を組み合わせて車体の空気抵抗や流れの特性を解析・予測できる技術「モビリティ・エアロダイナミクス技術」を確立しました。この新技術を用いた高精度のシミュレーションから得られる解析結果は、タイヤ開発における当社の優位性を高めるものと期待できます。今後は個別の車両の空力特性を最適化するタイヤを開発し、低燃費性能の向上を通じて、気候変動に対応する次世代モビリティ開発に貢献していきます。

モビリティ・エアロダイナミクス(空力シミュレーション)技術による空気抵抗の可視化モビリティ・エアロダイナミクス(空力シミュレーション)技術による空気抵抗の可視化

気候変動や需要増加による資源枯渇へ対応する

多くの天然資源には限りがある中、気候変動や人口増加がもたらす資源不足の解決は社会の持続可能な成長に不可欠です。当社は、新機能性ゴムや持続可能な原材料(サステナビリティ材料)等の次世代材料の研究や耐摩耗性能の高い素材・製品の開発など、設計段階から各工程での省資源化に取り組んでいます。例えば、当社独自技術である「Nano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)」を用いて資源特性を最適化することで、高い耐摩耗性能を維持しながら大幅な低燃費化を実現する新たな開発プロセスを確立しました。この技術を採用した製品は2019年春より供給を開始しており、製品の長寿命化による省資源化に貢献します。

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トラック・バス用低燃費スーパーシングルタイヤ「NANOENERGY(ナノエナジー)M175、M675」を北米市場に供給

当社独自の新技術によって生み出したポリマー「Nano Composite Polymer(ナノ・コンポジット・ポリマー)」を活用し開発した、低燃費スーパーシングルタイヤ*「ナノエナジーM175、M675」の北米市場への供給を、2019年春より開始しました。
M175、M675は、耐摩耗性能と低燃費性能という相反する性能をさらに高い次元で両立し、従来と比べてタイヤライフや環境性能が向上した優位性の高いトレーラーヘッド、トレーラー用タイヤです。また、製品の長寿命化における優位点として、独自に開発した特殊ベルトパッケージをタイヤ構造に採り入れたことによる、タイヤの形状や耐久性の確保も挙げられます。
さらにM175、M675は、車両全体の軽量化による積載量の大幅増大に寄与でき、輸送の効率化、燃費効率の向上にも貢献します。米国内では、商業輸送において温室効果ガスの低減に効果のある技術・製品を認証し、市場への導入促進を図る「SmartWayプログラム」が施行されていますが、M175、M675ともに同プログラムの認証を取得しています。

  • *これまで大型トラックでは耐荷重性の点から、1つの車軸に左右それぞれ2本ずつのタイヤを装着するダブルタイヤによる構成が主流でしたが、左右1本ずつのタイヤで代替できるようにしたシングルタイヤをスーパーシングルタイヤといいます。

スーパーシングルタイヤ「ナノエナジーM175」、「ナノエナジーM675」
スーパーシングルタイヤ「ナノエナジーM175」、「ナノエナジーM675」