トップメッセージ

事業を通じてモビリティ社会を支え、豊かにしていくTOYO TIRE株式会社 代表取締役社長 清水隆史

当社は2019年1月、社名を「TOYO TIRE株式会社」へと変更し、モビリティを中核に据えた経営体としての本格的な一歩を踏み出しました。TIRE(タイヤ)という言葉を社名に冠する企業グループであることに誇りと責任を持ち、従業員一人ひとりが事業を通じてモビリティ社会を支え、豊かにしていけるよう業務にまい進しています。
モビリティ業界は今、産業としての大きな節目、変革期を迎えていますが、TOYO TIREはこの変化をチャンスと捉え、社会に必要とされる存在感のある企業を目指し、勝ち残る挑戦を続けてまいります。

独自の強みをバリューとして社会に生み出す

今から15年ほど前、アメリカの新しい生産工場を稼働させるにあたり、当社が独自の発想で手掛けたタイヤ製造工法を導入したことにより、タフでありながら、アグレッシブなデザインも兼ね備えた大口径タイヤが誕生しました。これがアメリカ人のインサイトにミートし、クルマ好きの心に火を灯すことになりました。当時、マーケットに潜在していたニーズを当社が拾い上げていち早く形にしたもので、今や北米の主流となった大型の本格的SUV車両に装着されるタイヤにおいて、“TOYO TIRES”“NITTO”はその代表的ブランドとして愛され、アメリカのクルマ文化の中で欠かせない存在となるに至っています。
当社グループは、規模において決して優位にある企業とは言えませんが、逆に、小回りの利いた機動力を持ち味として、自分たちが有しているリソースをフルに最適化し、「独自の強みを生かす」ことで事業を伸ばす経営を志向してきました。こうした事業経営を通じて、さまざまなバリューを社会に生み出していくことが、私たちの使命であると考えています。

昨年公表の成長戦略を中期計画の基盤に置く

独自の強みとはすなわち、「差別化された得意分野における存在感」と言い換えることができるでしょう。
2019年8月に公表した「新たな企業ステージに向けた成長戦略」は、当社の強みをさらに強化していく方針を基本路線として位置づけており、競争優位性を誇る、高性能な大口径タイヤの供給拡張・充実を図るため、北米ビジネスを支える既存工場のさらなる増強を進めていきます。
新たに建設するセルビア工場によって欧州市場における地産地消化を進め、北米市場や中東・アフリカ市場への供給を補完していくほか、国内工場の抜本的なリノベーションにもつなげていく予定です。また、技術開発力の向上を企図したR&D世界3極体制の確立、グローバルでの販売力の底上げ・強化などを柱に据えています。
当社は本年、この成長戦略をベースに置いて、2021年からの新たな中期経営計画の策定に着手し始めました。マーケットの半歩先、一歩先を捉え、魅力的な商品をグローバルに提供することはもちろん、最新技術を駆使して未来のモビリティ社会の創造にも取り組んでいきます。
また、自動車産業の振興や発展、豊かなクルマ文化の活性につなげていくほか、健全なバリューチェーンの確立にも配慮、寄与していくことで、環境や人権など数々の社会的課題の解決にも注力していきます。

サステナビリティの方向性を共有した2019年

今日、SDGsは長期的経済成長を可能とするための世界共通のビジネスルールとして認識されています。モビリティ社会の中で、どのようなサステナビリティを実現していくかを示し、そのための解決策を進めていくことは、当社グループにとって極めて重要な経営課題であると認識しています。
2019年3月、2030年のTOYO TIREのあるべき姿を示す「TOYO TIREのSDGs」を公表しました。その14のゴールは、気候変動や人口構造変化、テクノロジーの進化など、当社グループがサステナビリティの側面から対峙して解決していこうとしている社会的課題となります。
そのプロセスにおいて、グループのリソースを最大限活用することはもちろん、足りない部分はパートナーシップを強化したり、事業リスクを軽減したり、あるいは建設的に事業機会を拡大するなど、「持たざることを強みに変える」といった当社ならではの考え方をベースに工夫と努力を重ね、取り組んでいく所存です。
社内においては、「TOYO TIREのSDGs」の公表後、きめ細かく機会を設け、各組織・グループ各社との対話を続けています。策定に至る背景の説明を中心に、なぜTOYO TIREがSDGsに取り組む必要があるのか、社内の理解浸透活動を実施してまいりました。自分たちの事業をグローバル課題やステークホルダーの要請に照らしながら、私たちが目指すゴール(企業価値の向上)についての理解レベルの底上げを図っています。

10年間という時間の行動を準備する2020年

「TOYO TIREのSDGs」実現に向けて、本年は2021年から2030年までの残り10年間をどのようにマネージしていくか、それを見据えた準備のために行動を起こしてまいります。昨年実施した社内対話の中で明らかとなったボトルネックを克服するため、理解浸透活動の充実化と各組織の活動進捗を管理するための新たな体制づくりを進めています。
また、本年は新たな中期経営計画を策定するタイミングでもあります。「TOYO TIREのSDGs」が、当社グループの事業とサステナビリティを統合したゴールでもあることを踏まえ、新たな中計期間中に「TOYO TIREのSDGs」の管理目標と、それらを実現する独自の価値創造ストーリーについて、今後のCSR報告書などでステークホルダーのみなさまに説明してまいりたいと考えています。

最後になりましたが、TOYO TIRE株式会社は2020年8月に75周年を迎えます。ひとえに、関係する全てのステークホルダーの皆さまのご支援の賜物と心より感謝申し上げます。
本年は新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るい、移動制限などから経済分断や経済停滞が発生し、グローバルに社会が混乱しています。現時点で予断は許さないものの、サプライチェーン基盤の再構築やグローバルでの協調・補完体制の強化、新しい働き方の定着など、今回の出来事を教訓として将来に向けた企業力の向上にしっかりと生かしてまいります。
TOYO TIREグループ一同、この難局を乗り越え、一人ひとりが一層のチャレンジを積み重ねてまいります。今後ともTOYO TIREグループにご期待とご厚誼を賜わりますようお願い申し上げます。

代表取締役社長による国連グローバル・コンパクトに対する継続支持の表明

ステークホルダーの皆さまへ
私は、ここにTOYO TIRE株式会社が国連グローバル・コンパクトの人権、労働、環境、および腐敗防止に関する10原則を支持することを再度表明します。
当社は国連グローバル・コンパクトおよびその原則を、事業戦略や企業文化、日常業務により一層浸透させるべく継続した取り組みを行ってまいりました。この年次のコミュニケーション・オン・プログレスにおいて、その取り組みについてご報告いたします。また、当社の主要なコミュニケーション媒体を通じて、当社の取り組みを積極的にステークホルダーの皆さまに紹介してまいります。

2020年6月
TOYO TIRE株式会社
代表取締役社長 清水隆史