全企業活動における脱炭素を追求する

取り組むべき課題

  • 気候変動によるリスクと機会への対応(TCFD)
  • 温室効果ガスの排出削減
  • クリーンエネルギーの利活用拡大

関与が大きいステークホルダー

  • 直接的:地域社会、地球環境、顧客
  • 間接的:株主・投資家、債権者、NGO、業界団体

取り組み方針

近年、気候変動による大雨・洪水等の異常気象・自然災害が頻発し、当社グループにおいても、タイヤの主要原材料である天然ゴムの生育への影響や工場稼働への影響、サプライチェーンの寸断などのリスクが高まってきていると認識しています。
また、パリ協定において合意された平均気温上昇の2℃未満への抑制や日本のカーボンニュートラル目標の実現に向けて、当社グループの事業活動においても、CO₂等の温室効果ガスを削減する取り組みが不可欠と認識しています。
気候変動による影響が深刻化するなか、モビリティに対する社会的要請はますます高まっています。モビリティ事業を事業経営の中核に据える当社グループにとって、気候変動への対応は当社グループの成長を左右する最重要課題であると認識しています。パリ協定が掲げる長期目標の達成に向けた温室効果ガスの排出削減はもちろんのこと、クリーンエネルギーの利活用拡大も、現代社会のみならず将来世代に対する責任であると捉え、2050年にカーボンニュートラルをめざし取り組んでいます。
以上のような背景より、当社はTCFD提言に対して賛同するとともに、今後、TCFDの開示フレームワークに沿って、「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」に関する情報開示を通じて、ステークホルダーの皆様との対話を活性化させ、気候変動に関する取り組みを推進することで、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
当社は国内・海外の各拠点において気候変動やエネルギー使用量削減などに関する法律や規制(「地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)」や「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)」など)や政策を支持し、これらへの対応を適切に行っています。

責任(2023年4月現在)

執行役員 品質環境安全統括部門管掌

活動推進体制(2023年4月現在)

サステナビリティ委員会(委員長:社長、年4回開催)で気候関連を含むサステナビリティ課題への対策や対応状況について報告、審議、決裁を行っています。
サステナビリティ委員会の下に、2021年7月に品質環境安全統括役員を責任者とする「脱炭素タスクフォース」を設置し、事業活動におけるCO₂削減に向けた活動計画や目標・KPIなどを議論しています。タスクフォースの取り組みの進捗については、サステナビリティ委員会で定期的に確認・モニタリングを実施しています。
サステナビリティ委員会で審議、決裁された気候関連事項は、経営会議にて報告または審議されるとともに、年度計画、中期事業計画の策定、見直しの際に反映されています。
サステナビリティ委員会及び経営会議で報告・決裁された気候関連事項については、適時適切に取締役会にも報告されています。

活動推進体制図

苦情処理システム(窓口)

  • ホットライン相談窓口(内部通報制度)…【対象】役員、従業員、取引先
  • お客様相談室…【対象】顧客(消費者)、地域社会
  • Webお問い合わせフォーム…【対象】顧客(消費者)、株主・投資家、NGO

活動を推進する主な資本(2022年)

主たる事業エリア内で生じる気候変動への適応および緩和のための費用:4,637百万円

取り組み:気候変動によるリスクと機会への対応(TCFD)

戦略

気候変動が当社グループの事業活動に及ぼす影響について、シナリオ分析を実施しました。
シナリオ分析の実施プロセスの概要は下記のとおりです。

  1. ①検討シナリオの選定と各シナリオの世界観の把握
  2. ②各シナリオにおけるリスクと機会を検討
  3. ③リスクと機会の重要度評価を行い、重要度の高いリスク・機会を特定

シナリオ分析の実施プロセス(イメージ)

①シナリオの選定、各シナリオの世界観の把握 ②リスク・機会の検討 ③リスク・機会の重要度評価の実施

①検討シナリオの選定と各シナリオの世界観の把握
シナリオ分析では、現行シナリオ(3~4℃シナリオ)と移行シナリオ(1.5℃シナリオ)の2つのシナリオにおける気候関連のリスクと機会の影響を評価しました。
現行シナリオにおいては物理的リスク、移行シナリオにおいては移行リスクの洗い出しを実施しました。

  現行シナリオ 移行シナリオ
概要 現状を上回る排出量削減対策が取られず、21世紀末の平均気温の上昇が最大で3~4℃となる世界を想定 21世紀末の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるために、脱炭素化の取り組みが進展される世界を想定
シナリオの世界観
  • ・現在想定されている以外に政策導入や規制強化が行われない
  • ・一部では、経済成長に伴い、温室効果ガスの排出量が増加
  • ・気温上昇に伴い、極端に暑い日や大雨などの自然災害が激甚化
  • ・気候変動の緩和に向けた政策導入や規制強化が実施される
  • ・温室効果ガスの排出量が減少し、2050年までに世界全体の実質排出量がゼロとなる
  • ・気温上昇により海面上昇や気候パターンの変化が生じるが、変化は現行シナリオよりも抑えられる
主な参照シナリオ
  • ・IEA Stated Policies Scenario(STEPS)
  • ・IPCC SSP5-8.5
  • ・IEA Sustainable Development Scenario(SDS)
  • ・IEA Net Zero Emission Scenario by 2050 case(NZE)
  • ・IPCC SSP1-2.6

➁リスク・機会の検討/③リスク・機会の重要度評価の実施

重要度評価結果をもとに、シナリオごとに気候関連のリスク・機会を抽出しました。
それぞれのリスク・機会に関する当社事業への財務的な影響を洗い出し、各リスク・機会の要因となりうる事象の「発生確率」と、当社事業において想定されるコスト等への「影響度」から、リスクと機会の重要度を評価しました。
各シナリオにおいて重要度の高いリスク・機会を抽出し、事業に与える影響の大きい項目を特定しました。

現行シナリオ - リスク(中期) の重要度評価

下記のオレンジ背景部分を、重要度の高いリスクとして特定する。

(中期:2030年頃)

現行シナリオ - リスク(中期) の重要度評価マトリクス
クリックすると大きい画像で見ることができます

現行シナリオ - 機会(中期) の重要度評価

下記のオレンジ背景部分を、重要度の高いリスクとして特定する。

(中期:2030年頃)

現行シナリオ - 機会(中期) の重要度評価マトリクス
クリックすると大きい画像で見ることができます

移行シナリオ - リスク(中期) の重要度評価

下記のオレンジ背景部分を、重要度の高いリスクとして特定する。

(中期:2030年頃)

移行シナリオ - リスク(中期) の重要度評価マトリクス
クリックすると大きい画像で見ることができます

移行シナリオ - 機会(中期) の重要度評価

下記のオレンジ背景部分を、重要度の高いリスクとして特定する。

(中期:2030年頃)

移行シナリオ - 機会(中期) の重要度評価マトリクス
クリックすると大きい画像で見ることができます

重要度の高いリスク・機会の一覧

<現行シナリオ> (凡例)短期:2025年頃、中期:2030年頃、長期:2050年頃

リスク
/機会
属性 気候関連事象 事業への影響 主な財務的影響 影響度
評価
リスク 慢性 気候パターンの変化
中~長期
  • ・天然ゴムの木の生育可能地域変動、品質低下
  • ・電力供給体制の不安定化
  • ・原油、天然ガスなどの需要拡大
  • ・原材料価格の上昇(天然ゴム)
  • ・研究開発費の増加(代替原料)
  • ・売上減少・収益悪化(タイヤ減産)
中~大
温度の上昇
中~長期
  • ・道路状況の悪化
  • ・降雪エリアの減少
  • ・研究開発費の増加(熱に強いタイヤ)
  • ・売上減少(冬タイヤ)
中~大
海面上昇
中~長期
  • ・天然ゴム収穫量減少
  • ・港湾・倉庫機能不全
  • ・原材料価格の上昇(天然ゴム)
  • ・売上減少(タイヤ減産・生産停止)
  • ・在庫・製品の毀損(洪水被害)
中~大
急性 異常気象の増加
中~長期
  • ・需要動向の不透明化
  • ・売上減少(需供ミスマッチ)
  • ・インフラ網の機能不全
  • ・売上・利益減少(全事業活動停滞)
中~大
大雨の頻発、激甚化
中~長期
  • ・輸送網の寸断、通勤手段の喪失
  • ・天然ゴム農園の冠水
  • ・売上減少・収益悪化(生産計画見直し)
  • ・原材料価格の上昇(天然ゴム)
中~大
  • ・事業所建屋の損傷・破損・倒壊
  • ・大雨に特化した製品ニーズの増加
  • ・売上減少・収益悪化(機能停止)
  • ・修繕費の増加(損傷建屋)
  • ・研究開発費の増加・売上減少(大雨対応製品)
熱帯低気圧の増加、激甚化
中~長期
  • ・海上輸送遅延、事故発生
  • ・輸送コストの上昇
  • ・在庫・製品の毀損
中~大
  • ・事業所建屋の損傷、停電
  • ・輸送網の寸断
  • ・収益悪化(事業停止)
  • ・修繕費の増加(損傷建屋)
リスク
/機会
属性 経済・社会の変化 事業への影響 主な財務的影響 影響度
評価
機会 慢性 気候パターンの変化、温度の上昇
中~長期
差別化商品(高耐久性など)開発による競争力強化(シェア拡大) 収益拡大(販売量増)
異常気象の増加、大雨の頻発・激甚化
中~長期
差別化商品(ウェット性能)開発による競争力強化(シェア拡大) 収益拡大(販売量増)

<移行シナリオ> (凡例)短期:2025年頃、中期:2030年頃、長期:2050年頃

リスク
/機会
属性 気候関連事象 事業への影響 主な財務的影響 影響度
評価
リスク 政策 カーボンプライシングの導入
中~長期
  • ・各種サービスへのコスト転嫁
  • ・物流費の増加
  • ・国境炭素税の導入
  • ・自動車関連の輸出品への環境関連税の導入
  • ・CO₂排出権の取引価格の上昇
  • ・研究開発費・設備投資の増加(低炭素製品へのシフト)
  • ・収益性の悪化(関税)
  • ・排出権購入価格負担増
ガソリン車・HEV車の販売規制
短~長期
  • ・EV向けタイヤの需要拡大
  • ・タイヤ要求性能の変化
  • ・ガソリン車・HEV市場の縮小
  • ・研究開発費・設備投資の増加(EV向けタイヤ開発、性能改善)
  • ・売上減少(タイヤ需要減)
カーボンフットプリントの義務化
中~長期
  • ・商品のライフサイクル全般におけるCO₂削減要請
  • ・CO₂排出割合の高い商品の淘汰、レピュテーションリスク
  • ・研究開発費の増加(リサイクルを想定した商品開発)
  • ・製造原価の増加(使用原材料・調達先の見直し)
  • ・売上減少(製品シェア減少)
技術 再生可能エネルギー技術の普及
中~長期
  • ・再エネ由来電力の供給拡大
  • ・原油産出量の減少
  • ・自動車メーカーの調達先への再エネ転換の要請
  • ・製造原価の増加(電力価格上昇)
  • ・原材料価格の上昇(合成ゴムなどの石化品)
  • ・研究開発費の増加(代替原料)
  • ・売上高減(自動車メーカーの要請非対応)
省エネルギー技術の普及
短~長期
  • ・省エネルギー技術の設備導入
  • ・新車の省エネルギー技術に応える商品需要の拡大
  • ・設備投資・修繕費の増加
  • ・研究開発費の増加(商品開発)
  • ・原材料価格の上昇(使用原材料の見直し)
低炭素技術の普及
中~長期
  • ・低炭素技術の設備導入、燃料転換対応(水素ボイラーなど)
  • ・低炭素技術を用いた商品需要の拡大
  • ・設備投資・修繕費の増加
  • ・研究開発費の増加(商品開発)
  • ・使用原材料の見直しによる製造原価増加
市場

評判
顧客の環境意識の向上
中~長期
  • ・CO₂削減に貢献する商品需要の拡大・商品志向変化、環境貢献に寄与する製品開発対応
  • ・CO₂削減を重視した取引先の選定
  • ・CO₂削減の取り組みを伝えるコミュニケーション活動
  • ・再エネ由来電力設備の導入要請
  • ・研究開発費増加(商品開発)
  • ・売上の減少(嗜好変化によるシェアの低下)
  • ・原材料価格の上昇(使用原材料の見直し、調達先の選定)
  • ・広告宣伝費の増加
  • ・設備投資・修繕費の増加(再エネ設備)
原材料コストの上昇
中~長期
  • ・採算性悪化によるゴム農家の減少
  • ・天然ゴム産出量低下による原材料価格の上昇
中~大
  • ・化石燃料由来の原材料価格の高騰、原材料メーカーにおける生産コスト上昇
  • ・石化品をはじめとする材料価格上昇による製造原価増加
リスク
/機会
属性 経済・社会の変化 事業への影響 主な財務的影響 影響度
評価
機会 市場 ステークホルダーの環境配慮行動の高まり
中~長期
  • ・環境配慮による取引先の拡大
  • ・環境配慮商品の付加価値向上
  • ・売上・利益の増加(取引先拡大、付加価値向上)
脱炭素向け商品市場の拡大
中~長期
  • ・脱炭素向け商品の需要の拡大
  • ・売上・利益の増加(付加価値向上)
製品

サービス
顧客の環境意識の向上
中~長期
  • ・環境貢献対応製品の開発・販売
  • ・売上・利益の増加(シェア拡大・付加価値向上)
EV・次世代車の普及
中~長期
  • ・EV用タイヤの需要拡大、早期開発・販売対応
  • ・売上・利益の増加(付加価値向上)
中~大
資源
効率
省エネ・効率化の促進
中~長期
  • ・省エネ・効率化設備の導入
  • ・省人化、従業員の職場環境改善
  • ・収益性の向上(生産効率の向上、不良品比率低減)
  • ・製造原価の減少(作業効率・工場操業度良化)
  • ・人件費の減少(離職率低下)
リサイクルの活用
中~長期
  • ・リサイクル材料を用いた商品開発、商品シェアの獲得
  • ・売上・利益の増加(シェア拡大・付加価値向上)
水使用量・消費量の削減
中~長期
  • ・水使用量削減設備の導入
  • 収益性の向上(水使用量減少)
エネルギー源 再生可能エネルギーの普及
中~長期
  • ・再エネ由来電力供給拡大
  • 使用電力料金の減少(再エネ由来)
  • ・早期の再エネ調達量の増加
  • ・売上・利益の増加(シェア拡大)
石炭・石油の価格高騰
中~長期
  • ・EV市場の拡大
  • ・売上・利益の増加(EV向けタイヤ販売)

中長期で影響が大きいと見込まれるリスクの財務的影響及び対応策

①気候パターンの変化に伴う天然ゴムの調達への影響 【リスク】

属性 気候関連事象
/事業への
財務的影響
影響額
/発生年度
算定方法 対応策
慢性 気候パターンの変化
気候パターンの変化により、天然ゴムの木の生育可能地域変動、品質低下等の影響が生じ、天然ゴムの調達コストが増加する。
約7~約97億円
(中期:2030年)
(下限)
天然ゴム調達量×天然ゴムの上昇価格
  • ・天然ゴム調達量は過去実績から推定した2030年時点の天然ゴム調達量。
  • ・天然ゴムの上昇価格は、過去の大洪水発生月の価格上昇分を年間に均したもの。
(上限)
天然ゴム調達コスト増加額×天然ゴム調達量増加割合
  • ・天然ゴム調達コスト増加額は、大規模洪水が発生した年の調達コスト増加分。
  • ・天然ゴム調達量増加割合は、大規模洪水が発生した年から2030年迄の調達量における推定増加割合。
  • ・タイヤ転がり抵抗低減を念頭に置いたタイヤの軽量化を推し進める事により、タイヤ1本あたりに使用する天然ゴム使用量を低減する。
  • ・サステナブル原材料の使用比率向上に向けた取組みを継続し、使用済みタイヤ由来の再生ゴム等のリサイクル原材料を適用した商品を順次市場投入していく事で、天然ゴムの消費量を低減する。
  • ・天然ゴムの生産現場における課題(森林減少、地域住民の権利侵害等)に対し、サプライチェーン全体で解決策を講じる事により安定した天然ゴム調達を実現する。具体策として、GPSNRの掲げる「持続可能な天然ゴムの原則」を踏まえ、当社は「持続可能な天然ゴムの調達方針」を策定、公表し、全サプライヤーへの周知を図ると共に、その実現の為に公平で客観的なCSR評価を第三者専門機関に依頼している。また、各サプライヤーのサプライチェーン管理に関する取り組みの積極的な活用を検討している。
  • ※GPSNR(Global Platform for Sustainable Natural Rubber):持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム

②カーボンプライシングメカニズム 【リスク】

属性 気候関連事象
/事業への
財務的影響
影響額
/発生年度
算定方法 対応策
政策 カーボンプライシングの導入
カーボンプライシングの導入により、CO₂の排出に対するコストが上昇する。
約5億円
(中期:2030年)
CO₂削減目標未達分×炭素税
  • ・CO₂削減目標未達分は、2030年時点の当社CO₂目標削減量が仮に10%足りなかった場合の未達量。
  • ・炭素税はIEAが公表する2050年Netゼロに向けて想定される2030年時点の先進国向け炭素税。
  • ・当社グループにて、組織内外での事業活動及び製品を通じた効率的なエネルギー利用により、CO₂の削減を継続する。
  • ・CO₂削減への対策としては、ICP(社内炭素価格)を活用した製造拠点の再エネ調達、燃料転換、及び設備更新を進めていく。
約57億円
(中期:2030年)
CO₂排出量×炭素税
  • ・CO₂排出量は、2030年時点の当社目標CO₂排出量。
  • ・炭素税はIEAが公表する2050年Netゼロに向けて想定される2030年時点の先進国向け炭素税。

リスク管理

TCFD対応を主管する経営管理本部、サステナビリティ委員会を主管する経営基盤本部 ESG推進室、脱炭素タスクフォースを主管する環境安全推進本部 環境衛生推進部を中心に、気候関連リスクの特定・評価を実施し、サステナビリティ委員会での審議を経て、当社としての気候関連リスクを評価します。
サステナビリティ委員会の脱炭素タスクフォースを通じて、各国のGHG排出量削減目標(再生可能エネルギー導入目標を含む)や自動車の燃費規制、ガソリン車の新車販売禁止などの規制要件を注視するとともに、各リスクへの対応を主管部に促し、進捗管理を行っています。

指標と目標

気候関連の指標

気候関連の目標

  • ・温室効果ガス(GHG)排出削減目標
  • ※2021年11月サステナビリティ委員会で決定、12月経営会議で承認
  • ※2022年2月15日公表
Scope1 & 2 GHG排出量:2030年に2019年度比46%の削減、2050年にカーボンニュートラルをめざす。
Scope3 GHG排出量原単位:タイヤ1本あたりのGHG排出量について、2030年時点において2019年比20%の削減貢献をめざす。
  • ※Scope1&2 GHG排出量:2025年に2019年度比25%の削減をめざす

TCFDへの今後の対応

当社は今後、TCFD提言への対応として、シナリオ分析を更に精緻化することでリスク・機会の定量的なインパクトの把握を図るとともに、対応策の検討、立案及び実行に向け取り組んでいきます。
また、今後もステークホルダーの皆様に対して、TCFD提言に沿った開示を適時に行っていきます。

取り組み:温室効果ガスの排出削減

エネルギー消費量の削減

当社グループは気候変動の緩和に貢献するため、組織内外において事業活動に要するエネルギーの効率的利用によるエネルギー消費量の削減を進めています。また、気候変動への適応、あるいは緩和に貢献する新製品・新技術の開発に取り組んでいます。

エネルギー消費量(3年間)

(千GJ)

2020年 2021年 2022年
エネルギー消費量総量 6,777.4 6,992.9 7,370.8
地域別
日本 3,594.3 3,842.6 4,199.7
米国 1,704.2 1,753.3 1,825.9
アジア(日本を除く) 1,478.9 1,397.0 1,345.2
供給源の種類別
非再生可能エネルギー源由来燃料(ガス、重油)の消費量 4,662.4 4,735.7 5130.8
購入した電力消費量 1,818.8 1,944.2 1,923.5
購入した電力に占める再生可能エネルギー由来の電力、証書の割合 0.00% 0.00% 5.94%
購入した電力に占める再生可能エネルギー由来の電力消費量、非化石証書の調達相当の消費量 0.00 0.00 114.2
再生可能エネルギー源由来燃料(太陽光発電)の消費量 0.44 0.80 0.73
購入した蒸気消費量 295.8 312.2 315.8
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
組織内のエネルギー消費量
集計範囲 日本:13事業所(TOYO TIRE株式会社(本社、仙台工場、桑名工場、兵庫事業所、タイヤ技術センター、自動車部品技術センター、基盤技術センター、タイヤ試験場、冬季タイヤテストコース)、福島ゴム株式会社、東洋ソフラン株式会社、綾部トーヨーゴム株式会社、オリエント工機株式会社)
米州:2事業所(TOYO AUTOMOTIVE PARTS (USA), INC.、TOYO TIRE NORTH AMERICA MANUFACTURING INC.)
アジア(日本を除く):5事業所(東洋橡塑(広州)有限公司、通伊欧輪胎張家港有限公司、通伊欧輪胎(諸城)有限公司、TOYO TYRE MALAYSIA SDN BHD、TOYO RUBBER CHEMICAL PRODUCTS (THAILAND) LIMITED)
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 燃料使用実績値から算出。2013年度標準発熱量(経済産業省資源エネルギー庁、最終改正2020年)で換算。
(参考)タイヤ生産量(新ゴム量)(千t)
2020年 2021年 2022年
タイヤ生産量(新ゴム量)総量 212.3 245.7 247.8
地域別
日本 108.8 127.7 128.8
米国 62.2 71.9 73.4
アジア(日本を除く) 41.4 46.0 45.0
欧州 0.0 0.0 0.6

組織外のエネルギー消費量(輸送時のエネルギー消費量)

2020年 2021年 2022年
日本国内における原材料・製品輸送時のエネルギー消費量(千GJ) 109.6 118.9 107.2
  • ※主なエネルギー消費量削減の取り組み:コンテナ化、モーダルシフト(鉄道輸送、海上輸送)、混載便の活用
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
組織外のエネルギー消費量(輸送時のエネルギー消費量)
集計範囲 日本国内物流(トラック、船舶、鉄道)にかかる燃料
集計期間 当年4月~翌年3月
算定条件・根拠 「荷主の省エネ推進の手引き(第7版)」(経済産業省資源エネルギー庁・財団法人省エネセンター)に準拠。

エネルギー原単位

2020年 2021年 2022年
組織内のエネルギー原単位(GJ/百万円) 19.7 17.8 14.8
  • ※原単位=組織内のエネルギー消費量総量/売上高
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
エネルギー原単位
集計範囲 エネルギー原単位(発熱量/売上高)は「組織内のエネルギー消費量」と同じ。
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 燃料使用実績値から算出。エネルギー消費量の換算は「組織内のエネルギー消費量」と同じ。売上高は連結決算値。発熱量1,000万KJを原油0.258 klとして換算(省エネ法施行規則第4条(換算の方法))。

エネルギー消費量の削減事例

  • 配管補修、高効率設備の導入によるエネルギー使用効率向上
  • 自動運転化によるエネルギー消費量削減
  • 空調・照明の使用改善によるエネルギー消費量削減
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
エネルギー消費量の削減事例
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 燃料使用実績値から算出。エネルギー消費量の換算は「組織内のエネルギー消費量」と同じ。

大気放出蒸気の回収による熱源利用

仙台工場では、2022年8月から、加硫工程で使用した蒸気を再利用するスチームエジェクターを導入しています。従来、大気へ放出していた使用済み蒸気を回収し、新しい高圧の蒸気とブレンドして中圧の蒸気を生成します。回収した使用済み蒸気の6割程度を再利用できるため、蒸気を創出するボイラーの燃料である天然ガスの使用量を抑えることができ、工場から排出されるCO₂を年間550トン削減できる見込みです。

製品(低燃費タイヤ)使用時のエネルギー必要量の削減

2020年 2021年 2022年
エネルギー削減量(GJ/㎞)
*推計値
253.7 338.1 368.0
(参考)低燃費タイヤ生産比率
PCR(乗用車用タイヤ) 19.5% 23.1% 27.8%
TBR(トラック・バス用タイヤ) 22.4% 35.0% 17.6%
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
製品(低燃費タイヤ)によるエネルギー必要量の削減
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 「タイヤのLCCO₂算定ガイドライン Ver. 3.0.1」((一社)日本自動車タイヤ協会)に準拠。ライトトラック用Mサイズタイヤは乗用車用タイヤとして、Lサイズタイヤはトラック・バス用タイヤとしてそれぞれ換算。

取り組み:温室効果ガスの排出削減

温室効果ガス(GHG)の削減

温室効果ガス(GHG)の排出は気候変動の主な原因とされており、当社グループでは組織内外での事業活動および製品を通じた効率的なエネルギー利用により、GHGの削減を進めています。
生産量の増加とともにエネルギー使用量も増加しますが、Scope1、2への対策として、工程の配管補修や高効率設備の導入によるエネルギー使用効率の向上、自動運転化や空調・照明の使用改善によるエネルギー消費量の削減、温室効果ガスの排出がより少ない燃料への転換等を進めています。
2023年は中国の子会社にて、「窒素ガス加硫化」を導入し年間1,809トンを削減予定のほか、真空ポンプのインバーター化で年間4トンのCO₂削減を計画しています。
また、Scope3への対策としては、(一社)日本自動車タイヤ協会の「タイヤのLCCO₂算定ガイドライン Ver. 3.0.1」に基づき、当社グループのバリューチェーンにおけるGHG 排出量を算定した結果、Scope3の「製品の使用段階」におけるGHG 排出量が全体の80%以上を占めています。技術部門が主体となり、商品企画部門と連携しながら、低燃費タイヤなど自動車のCO₂排出量削減に寄与する研究開発を進めています。同ガイドラインによれば、低燃費タイヤは汎用タイヤと比べ、タイヤ使用時(自動車走行時)のGHG 排出量を、PCR( 乗用車用タイヤ)で95.4㎏ CO₂e/ 本、TBR(トラック・バス用タイヤ)で879.0㎏CO₂e/ 本削減できます。当社グループは、中長期的に、タイヤのモデルチェンジごとに低燃費性能をグレードアップさせていく計画です。他方、「製品の輸送」においては、タイヤの日本国内幹線輸送でのモーダルシフトや直送を進めており、2022年はタイヤ重量当たりGHG排出量を2019年比で9%削減しました。

温室効果ガス(GHG)排出量

(千t-CO₂e)

2020年 2021年 2022年
直接的(Scope1)GHG排出量の総計 263.9* 268.2* 265.3*
地域別
日本 180.7 190.4 191.1
米国 51.8 51.0 50.1
アジア(日本を除く) 31.3 26.8 24.1
2020年 2021年 2022年
間接的(Scope2)GHG排出量の総計 271.6* 284.4* 253.6*
地域別
日本 57.1 65.0 50.7
米国 86.8 94.2 85.1
アジア(日本を除く) 127.7 125.2 117.8
2020年 2021年 2022年
その他の間接的(Scope3)GHG排出量の総計 12,059.8 12,932.2 13,019.8
  • *第三者検証済みデータ
  • ※計算に用いたガス:CO₂
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
温室効果ガス(GHG)排出量
集計範囲 Scope1、2:「組織内のエネルギー消費量」と同じ。
Scope3:タイヤ製造関連事業所
日本:6事業所(TOYO TIRE株式会社(本社、仙台工場、桑名工場、タイヤ技術センター、基盤技術センター)、福島ゴム株式会社)
米州:1事業所(TOYO TIRE NORTH AMERICA MANUFACTURING INC.)
アジア(日本を除く):3事業所(通伊欧輪胎張家港有限公司、通伊欧輪胎(諸城)有限公司、TOYO TYRE MALAYSIA SDN BHD)
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 以下の法令、基準に準拠:
エネルギーの合理的な使用に関する法令、日本環境省、地球温暖化対策の促進に関する法律の改定に取って代わられる、地球温暖化に対処する対策の促進に関する法律(2005年改訂)、「温室効果ガス(GHG)プロトコル」(WBCSD、WRI)、「タイヤのLCCO₂算定ガイドライン Ver. 3.0.1」((一社)日本自動車タイヤ協会)
※Scope2はロケーション基準を採用。
2020年 2021年 2022年
温室効果ガス(GHG)排出原単位(t-CO₂/百万円) 1.56 1.40 1.04
  • ※原単位=Scope1+2の総量/売上高
環境データの集計範囲、集計期間、算定条件・根拠
2022年度排出量削減の取り組みによる直接的な結果として削減されたGHG排出量
集計範囲 「組織内のエネルギー消費量」(日本国内拠点)と同じ。
集計期間 当年1月~12月
算定条件・根拠 各燃料使用量の計画値に対する削減実績値から算出。

第三者検証について:

当社グループでは開示する情報の正確性、信頼性を確保するため、2022年度の実績データに対し、第三者機関による検証を受けています。

  • 検証対象範囲:TOYO TIRE株式会社および関係会社のうち23事業所*におけるエネルギー起源CO₂ Scope1総量、Scope2総量、取水量総量、取水量内訳、排水量総量、排水量内訳
  • 検証期間:2022年1月-2022年12月
  • 検証基準:ISO14064-3:2006、関連法令、及び検証機関の手順による
  • 第三者機関:SGSジャパン株式会社
  • *TOYO TIRE株式会社(本社、仙台工場、桑名タイヤ工場、桑名自動車部品工場、兵庫事業所明石工場、基盤技術センター、タイヤ技術センター、自動車部品技術センター、タイヤテストコース、冬季タイヤテストコース)、福島ゴム株式会社、東洋ソフラン株式会社、綾部トーヨーゴム株式会社、オリエント工機株式会社(本社、仙台支社、六甲支社)、TOYO AUTOMOTIVE PARTS (USA), INC.、TOYO TIRE NORTH AMERICA MANUFACTURING INC.、東洋橡塑(広州)有限公司、通伊欧輪胎張家港有限公司、通伊欧輪胎(諸城)有限公司、TOYO TYRE MALAYSIA SDN BHD、TOYO RUBBER CHEMICAL PRODUCTS (THAILAND) LIMITED

第三者機関の検証意見書はこちらをご参照ください

取り組み:クリーンエネルギーの利活用拡大

当社グループは、生産拠点の電力について、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを進めています。2022年下期は仙台工場で購入電力の100%を再生可能エネルギー由来に転換しました。2023年には桑名工場および米国タイヤ工場並びに国内事務・技術拠点の購入電力の100%を転換する計画です。それ以降も順次、国内外の生産拠点並びに国内技術拠点において再生可能エネルギー由来電力の利活用拡大を進め、グローバルでの再生可能エネルギー電力比率を2023年に50%以上、2030年までに90%以上とすることをめざします。
また、自家消費としての太陽光発電システムの導入も進めています。2022年に稼働したセルビア工場の敷地内に、同国内最大規模となる太陽光発電システム(発電電力容量8.4MW)を設置、年間10.15GWhの発電によって、同7,100トンのCO₂の削減にも寄与していきます。
今後は、他の国内外拠点においても、太陽光発電システムの導入検討を進め、自家消費によってCO₂排出量削減に貢献します。

セルビア工場・上空からの遠景写真
セルビア工場の太陽光発電システム