CSR方針

基本方針(2014年5月策定)

「責任」「信頼」「誠実」

TOYO TIREは、一人ひとりが社会との「つながり」を意識して
行動し、人と社会に求められる企業であり続けます。

CSRの原点:「責任」「信頼」「誠実」
「責任」…グローバル化による影響力拡大に伴う責任への対応
「信頼」…事業活動を通じた環境・社会課題への対応
「誠実」…CSRの基盤としての誠実な事業活動

重点テーマと2020年のあるべき姿(2014年5月策定)

重点テーマ 2020年のあるべき姿
1.製品・サービスの信頼と革新 高い品質と安全性をベースに、環境にやさしい製品・サービスを提供している
2.地球環境への貢献 グループ全体で環境経営を推進している
3.人権と多様性の尊重 国際的な人権意識のもと、多様な人材が活躍している
4.取引先との協働 サプライチェーン全体でCSRに取り組んでいる
5.地域社会との共生 ステークホルダーの声に耳を傾けながら、地域社会の発展に貢献している
6.安全で健康的な職場づくり 安全を最優先に、安心して働ける職場づくりに取り組んでいる
7.ガバナンス・コンプライアンスの強化 常に経営の透明性向上を図りながら、誠実な事業活動を実践している

重点テーマの特定プロセス(2013年-2014年)

多岐にわたるCSR活動の中で重点的に取り組むべき課題を、当社グループとステークホルダーにとっての重要性を軸に、以下のプロセスで特定し、それらを7つの「重点テーマ」として集約しました。また重点テーマを設定した際に、それぞれの達成イメージとして「2020年のあるべき姿」を明確にしました。

重点テーマの特定プロセス

重点テーマの特定プロセスのフロー図

社外有識者へのヒアリング結果(2014年4月)

大和総研研究主幹 河口真理子氏

タイヤ・ゴム業界の課題は、資源の制約(天然ゴムの調達)、自動車の変化(電気自動車の普及など)、人権の問題(ゴム農園の児童労働など)と認識しています。特に主要な原料である天然ゴムにおいては、ゴム農園開発に伴う生態系破壊や、児童労働・強制労働などの問題を引き起こすことが懸念されています。これらの問題に対しては、環境~調達~人権のつながりの中で、事業の持続可能性を図る視点で取り組む必要があると考えます。企業としてこれらの課題をどのように認識し、対処していくのかをステークホルダーに示すことが重要です。検討段階であっても可能な範囲で情報を開示していただけることを期待しています。

サステナビリティ日本フォーラム代表理事 後藤敏彦氏

昨今、情報開示の流れが大きく変化しており、人権や腐敗防止まで含めた非財務及び多様性に関する長期的視点が重視されています。たとえばCO2排出量の削減や取締役会の多様性確保、女性の活用促進など、長期的視点にたって取り組む必要がある課題について、会社としての方針を明確化することが重要です。またサプライチェーンにおけるリスクに対しては、地元のNGOなどステークホルダーと誠実に対話することで回避することが望ましいと考えます。環境・資源・社会の長期的な制約を念頭に、企業のあるべき姿を検討していただきたいと思います。

TOYO TIREのサステナビリティに必要な優先課題(2017年抽出)

  • 国連SDGs*に貢献するTOYO TIREのSDGsの策定および達成
  • 新たなビジネスリスク・機会である気候変動への対応
  • 新たなビジネスリスク・機会である人権、腐敗行為への対応
  • 持続可能な調達責任への対応
  • 2015年9月に国連サミットで採択された、2030年までに達成を目指す国際社会共通の目標。“誰一人として置き去りにしない(leave no one behind)”世界を目指すことを目的としている。

優先課題の抽出プロセス(2017年)

当社グループが将来にわたって持続可能な成長(サステナビリティ)を目指すために、優先的に取り組むべき課題の検討を行いました。これは、重点テーマならびに2020年のあるべき姿を特定した後に生じてきた事業環境の加速度的変化や、新たな社会的課題に対応するものですが、課題の抽出においては客観性を重視し、外部評価機関の評価結果やステークホルダーからのご意見も参考にしました。
検討の結果、当社グループが優先的に取り組むべき課題として、テーマを4つ抽出しました(前述)。

推進体制(2018年から)

4つの優先課題(前述)に取り組む上では組織横断的な検討が必要なことから、2018年からグループ全社で対応を検討するワーキンググループ(サステナビリティ推進WG)をテーマごとに設置し、対応しています。
WGは取締役会から業務執行に関する権限を委任された経営会議(議長:社長)により、優先的に取り組むべき課題について協議する場として承認されています。WGには関係する事業組織の担当者が参集し、各テーマの方向性や目標・ターゲットなどアクションプランを協議します。WGで協議したアクションプランは経営会議で審議、承認され、グループ全社・全組織へ展開されます。
各WGの活動進捗は経営会議で管理しています。また、外部評価機関のパフォーマンス格付結果や苦情処理メカニズムから得られるステークホルダーのご意見、業界動向などから各テーマのマネジメント手法の有効性について評価し、改善しています。

推進体制

  • ※1 2020年4月時点
  • ※2 全WGに各関係会社担当者も参加しています。
  • ※3 SDGs WGは、ゴールごとに関係の深い組織がメンバーとして参加しています。

2019年度サステナビリティ推進WGの状況

優先課題 活動目的 2019年度の活動
SDGs 国連SDGsに貢献するTOYO TIREのSDGsの策定および達成
  • TOYO TIREのSDGsの公表
  • グループ全社インタビュー(活動状況フォロー)
  • SDGsの社内浸透(国内向け説明会)
環境(気候変動) 新たなビジネスリスク・機会である気候変動への対応
  • CDP回答への評価結果の分析
  • 情報開示内容の充実
  • グループ全社インタビュー(活動状況フォロー)
  • 地球環境憲章の改定議論
  • 操業地域における水リスク分析評価
人権・労働、腐敗防止 新たなビジネスリスク・機会である人権、腐敗行為への対応
  • 人権・労働方針、腐敗防止方針の公表
  • 上記方針の社内浸透(研修、中国語翻訳)
  • グループ全社インタビュー(活動状況フォロー)
  • 社内向け人権に関するトップメッセージのグローバル配信
サプライチェーン 持続可能な調達責任への対応
  • 改定CSR調達ガイドライン(天然ゴムの持続可能な調達方針)の公表
  • 上記方針の社内浸透(国内担当者向け説明会)
  • 上記方針の社外浸透(国内サプライヤー向け説明会、海外天然ゴムサプライヤー向け通知)
  • GPSNR会員企業としての活動

ステークホルダーとのエンゲージメントの機会

当社グループは、バリューチェーンの各段階において直接的にあるいは間接的に影響が大きいステークホルダーを特定し、ステークホルダーの皆さまの評価や意思決定に対する影響を考慮して、優先課題の検討を行っています。
当社グループの社会における存在意義は、ステークホルダーの皆さまからのご要望のあった課題を解決するだけではなく、社会に驚きや新たな気づきを創出し、豊かな社会に貢献していくことにあります。そのため、ステークホルダーの皆さまとのエンゲージメントの機会を通じて、当社グループに関する情報を正確に、明瞭に発信することで説明責任を果たすよう努力しています。さらに製品、サービスを提供するだけではなく、仕事一つひとつを通じて、お客さま(お取引先)や顧客(消費者)に満足を超える感動をお届けできているかを確認しています。

なお、従業員との対話の状況については 重点テーマ3

お取引先との対話の状況については 重点テーマ4

地域社会との対話の状況については 重点テーマ5

株主・投資家さまとの対話の状況については 重点テーマ7

を、それぞれご参考ください。

TOYO TIREのステークホルダーエンゲージメント

TOYO TIREのステークホルダーエンゲージメント

ステークホルダー・グループのリスト
バリューチェーン 影響が大きいステークホルダー
直接的 間接的
原材料・調達 お取引先(サプライヤー*1 株主/投資家、債権者、地域社会、NGO/NPO、行政、業界団体*2、地球環境
研究開発 従業員、共同研究者・開発者、お取引先(カーメーカー)
生産 従業員
流通 従業員、お取引先(ロジスティクス)
販売 従業員、お取引先(カーメーカー/ディーラー)
使用・廃棄物リサイクル 顧客(消費者)
  • *1 サプライチェーンの主要要素:天然ゴム農家・卸業者、合成ゴム生産事業者、石油化学品生産事業者
  • *2 TOYO TIREが所属する団体:
  • (一社)日本経済団体連合会
  • (一社)日本自動車タイヤ協会(JATMA)
  • (一社)日本ゴム工業会(JRMA)
  • 米国タイヤ製造者協会(USTMA)
  • 米国タイヤ産業協会
  • 欧州タイヤリム技術協会(ETRTO)
  • マレーシア自動車タイヤ製造産業グループ(FMM MATMIG)
  • タイ自動車タイヤ製造者協会(TATMA) *但し特別コーポレートメンバーとして
  • 中国ゴム工業協会(CRIA)
  • 国際ゴム研究会(IRSG)
  • 持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)
  • 持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(GPSNR)
  • (公社)日本フィランソロピー協会 *但し賛助会員として
  • グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)

支持している外部イニシアティブ

当社グループがサステナビリティを推進するにあたり、以下の外部イニシアティブの活動を支持しています。

  • 持続可能な開発のための世界経済人会議(World Business Council for Sustainable Development、WBCSD)およびWBCSDの産業プロジェクト(Tire Industry Project、TIP)
  • 国際ゴム研究会(International Rubber Study Group、IRSG)
  • 持続可能な天然ゴムのためのグローバルプラットフォーム(Global Platform for Sustainable Natural Rubber、GPSNR)
  • 国連グローバル・コンパクト(United Nation Global Compact、UNGC)

外部有識者コメント

TOYO TIREグループは、2014年に策定された基本方針と7つの重点テーマをもとに段階的に取り組みを進め、真摯に継続的な開示を行っています。7つの重点テーマより「TOYO TIREのSDGs」を導き出し、2030年のあるべき姿として長期視点でも取り組みを発展させる意思を積極的に示しています。2017年度に抽出した優先課題である「気候変動」「人権・労働および腐敗防止」「持続可能な調達責任」を中心に、方針整備やデータ把握・拡充等の準備を丁寧に進めていると見受けられます。
今後は、「TOYO TIREのSDGs」の7つの重点テーマを実現する上での「優先課題」の位置づけを明確に示すとともに、重点テーマ1「製品・サービスの信頼と革新」をはじめ、各部門で強化されていく予定の具体的な取り組みや目標の全体像を体系的に示していくとよいでしょう。また優先課題に対する2020年の予定として本報告書内に言及されているTCFD対応検討や人権リスクチェック、持続可能なサプライチェーンマネジメントの推進など、中長期的かつ組織的に、お取引先をはじめとしたステークホルダーとともに進めていく必要のある取り組みは、投資家の求めるESG情報開示に応えていくことにもつながります。ぜひ歩みを止めずに進めていただきたいと思います。
2020年は、2021年からの新中期経営計画策定の年とのこと、「TOYO TIREのSDGs」で整理されているリスクの低減や機会の拡大に向けた取り組みは、新中計を支え、さらに強く連動するものとして位置づけられていくことになるでしょう。「TOYO TIREのSDGs」の活動計画の策定と併せて、重点テーマと価値創造の関係性を改めて整理し、2030年に向け、新中計の先を見据えた独自性あふれる価値創造ストーリーにつなげていくことを期待します。

株式会社イースクエア 代表取締役社長 本木啓生株式会社イースクエア
代表取締役社長
本木啓生氏

CSR担当役員コメント(外部有識者コメントを受けて)

本木様から当社の「CSR報告書2020」について大変貴重なご意見とアドバイスをいただき、ありがとうございました。当社は新成長戦略を昨年公表しておりますが、個々の戦略実現に向けた基盤強化としてサステナビリティ(危機管理体制・ガバナンス体制の強化、働き方改革、人材開発、ブランディング強化など)への取り組みを進めてまいります。サステナビリティを推進する上では、事業継続との適切な両立、全従業員・全関係者を巻き込んだ取り組み、多様性への配慮が重要であると痛感しております。本年は感染症リスク対応として、従業員、ステークホルダーの安全確保のため生産拠点、物流拠点以外の事業所・事務所を閉鎖し、在宅勤務の中での事業継続を図りました。コロナ禍の中でそれぞれに状況・環境の異なる世界各国の種々取引先様との調整、育児・介護など異なる事情がある従業員への対応、新入社員をはじめとする若手従業員の在宅勤務下での育成・教育、働き方改革・人材多様化の推進といった様々な課題も浮き彫りになり、正に危機の中で持続可能な事業継続という課題に正面から取り組むことになりました。この貴重な経験を生かし、当社はサステナビリティをより一層あらゆる環境下で達成できる柔軟な体制を目指してまいります。
事業の中で「TOYO TIREのSDGs」を達成することにより、社会に対して独自の価値(差別化された存在感)を提供してまいります。本木様にご指摘いただいたように新中計の先を見据え、成長戦略と合致した、独自性にあふれた当社の価値創造ストーリーを示していきたいと考えております。

取締役執行役員 コーポレート統括部門 統括部門管掌 笹森建彦TOYO TIRE株式会社
取締役執行役員
コーポレート統括部門
統括部門管掌 笹森建彦