人材の多様性
雇用の状況
TOYO TIREでは採用および処遇は公正に実施し、国籍や性別などにかかわらず、多様な人材が活躍できる職場づくりを推進しています。
人材採用においては、国内外で新卒・中途採用や定年退職者の再雇用、障がい者雇用など、多様な人材の確保に取り組んでいます。
例えばTOYO TIRE株式会社では、2018年度から、これまでの新卒採用時における女性や外国人に関する採用比率目標の掲示をやめ、あらゆる人材をフラットに評価・採用する方針に転換しました。
またNT MEXICO S. DE R.L. DE C.V.ではインターンシップ制度を活用した人材の確保に取り組んでいます。同社はメキシコの市販用タイヤの販売会社ですが、在学中に同社で営業職を体験した学生が、卒業後に正規社員として同社に入社し、インターンで培った経験もいかしながら活躍しています。現在は大学で会計学を専攻している学生が同社で経理と物流の職種を体験中ですが、日々、意欲的に経験を積まれています。
職場でのダイバーシティと機会均等の取り組みとしては、全ての従業員の活躍推進を目指し、各種人事制度を整備するとともに、従業員一人ひとりのキャリア面談の実施、人材開発計画の策定、意識改革研修などを行っています。多様性推進の活動の一つとして、例えば株式会社トーヨータイヤジャパンでは、2016年に「人材活躍推進委員会」を発足しました。特に女性従業員のキャリアアップや活躍推進を大きな目的とした委員会ですが、管理監督者・男性従業員の積極的な参画や意識改革も重要な課題であるため、全従業員を対象とした取り組みとして展開しています。女性従業員のキャリアアップを見据えた職務内容や職責・権限の見直し等を積極的に行ってきた結果、女性管理職の登用が増加しています。
また、トーヨータイヤ物流株式会社では、精神・発達障害がある方の採用と職場定着を目的として、厚生労働省が推進する「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成に取り組んでいます。障害の特性や共に働く上で必要なコミュケーションについて理解を深め、障害の有無に関係なく、多様な人材が活躍できる職場環境づくりに努めています。
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全国女性社員研修会の様子(トーヨータイヤジャパン)
また、女性に限定した取り組みではなく、男女問わずチャレンジできる職場づくり、多様な価値観・ライフスタイルも考慮したキャリア形成への支援、そのための職場のコミュニケーションの活性化なども進めています。2020年3月からはジェンダー平等の職場環境づくりの一環として、当社の本社を含む一部拠点において社内のドレスコードを見直し、男性従業員のビジネスカジュアル着用を許可しました。なお、当社グループでは報酬は男女同一を原則としています。
多様な人材が活躍できる職場づくりとして、働き方改革によるワーク・ライフ・バランスを推進しています。例えば、従業員の育児・介護を支援する取り組みとして、2歳以下の子の養育および家族の介護(最長1年)に専念できる休業制度や、傷病、育児・介護、ボランティア活動、妊娠・不妊治療による通院または入院などの事由に該当する場合に、失効した前々年度の年次有給休暇を復活させて使用できる制度などを整備しています。
昌和不動産株式会社:障がい者雇用の推進



昌和不動産株式会社はTOYO TIRE株式会社の特例子会社です。「多様な人材を活用し相互に成長する!」を目標に、障がい者雇用の推進をTOYO TIREグループのミッションと位置付けて取り組んでいます。同社は日本国内のグループ各社と連携し、多様な人材の活躍を実現するための安心安全な職場環境づくりと職域の拡大に努めており、各拠点では多くの障がい者の方が活躍しています。
組織的な職場定着を推進するため、リーダー職に対し職場適応援助者(ジョブコーチ)資格の取得を支援しています。また、福祉系の大学より講師をお招きした対人援助技術の研修や、障がい者の方を対象としたビジネスマナー研修等を行うなど、定期的に社内研修会を開催して就業スキルの向上に努めています。
また、地域社会の一員として、本社のある兵庫県伊丹市を中心に、特別支援学校・福祉施設・職業能力開発校等から実習生の受け入れを定期的に行っています。実習で就労を体験いただくことで、生徒が職業の選択・適性を確認する際の一助を担います。
同社のこうした障がい者雇用の取り組みは、行政及び福祉の関係機関から高く評価をいただいています。企業見学会や講演会での講師依頼を積極的に受けており、弊社の取り組みを社内外に広く発信しています。
これからも、障がい者雇用を通じて多様な人々の社会参加を支え、地域社会に必要とされる企業を目指していきます。
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ビジネスマナー講習
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昌和不動産で行われた先進企業見学会
働き方改革を推進

TOYO TIRE株式会社では環境変化に対応し、従業員の一人ひとりが期待される役割を果たすために、自らの働き方をデザインし、最適化できる状態にすることを目的とした働き方改革に取り組んでいます。
2019年度は業務フローの見直しや各人の担当業務の見える化を通じた、業務効率化策の推進とともに、在宅勤務を拡大し、国の呼びかけに応じて、「テレワーク・デイズ」にモデル部署を中心に参画するなど、働き方の多様化も同時に進めています。
2019年度の成果を踏まえ、今後も活動の深化や横展開を図るなど、全社のワークライフバランスのさらなる向上を目指します。
デジタルイノベーション推進本部を発足


TOYO TIRE株式会社では、将来の事業環境の変化への対応の一つとして、組織的にデジタル推進を図るにあたって戦略や方向性を議論してきました。自動車産業の環境変化を起点として、デジタル化によって当社グループにもたらされる価値について検討し、その結果を5つのデジタル戦略として集約しました。
そして、デジタル技術を導入・駆使し、全社横断的な業務改革、戦略的な事業経営構造の構築、次世代モビリティを見据えた事業戦略の展開を推進していくことを目的として、2020年2月には「デジタルイノベーション推進本部」を新設しました。今後は、同組織が核となり、当社グループのデジタル化を加速させ、顧客までつながる一気通貫の仕組みで機動的な経営を実現することを目指します。
〈デジタル推進のテーマ〉
① 現場データに基づく独自性のある商品企画
② データを活用した顧客体験の提供
③ 低コスト化を目指したビッグデータ・CPSの活用
④ 需要を先読みした販売・供給体制
⑤ データを活用した経営基盤づくり
従業員の新規雇用
TOYO TIRE株式会社の新規雇用の状況(中途採用者含む正社員)
- 総数:167名
- 年齢層比:30歳未満 68.9% /30-50歳 28.1% /50歳超 3.0%
- 性別*比:男性85.6% /女性14.5%
従業員のダイバーシティ
TOYO TIRE株式会社のダイバーシティの状況(正社員)
- 総数: 3,595名(前年度比+1.8%)
- 年齢層比:30歳未満 22.4% /30-50歳 61.3% /50歳超 16.2%
- 性別*1比:男性 93.4%(前年度比+2 pt) /女性 6.6%(前年度比+4 pt)
- 障がい者数:16名
- 外国人数*2:21名
- 管理職者総数:819名
- 管理職者性別*1比:男性 95.2%(前年度比±0 pt) /女性 4.8%(前年度比+5 pt)
- 外国人*2管理職比:0.6%(前年度比±0 pt)
- *1 性別データについて:生物学的性別によるデータです。社会的性別について定量的なデータの把握は困難であり、把握できていませんが、全ての従業員が平等に活躍できる職場環境づくりを目指しています。
- *2 外国人データについて:国籍法の定義に基づく外国人
当社は次世代育成支援対策推進法に基づき策定した行動計画に定めた目標を達成し、一定の要件を満たした企業として、2020年に厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を取得しています。今後も仕事と子育ての両立支援に取り組んでいきます。
現在(2020年1月1日〜2021年12月31日)の行動計画について、詳細はこちらをご参照ください。
2019年度末時点の当社グループの従業員およびその他の労働者に関する情報について、詳細はこちらを参照ください。
労使関係の状況
当社グループは、企業と労働者代表との間で建設的な対話を築くことは、職場の課題を共有し、解決を導く方法であると考えています。
例えば、TOYO TIRE株式会社では、唯一の交渉団体として東洋ゴム工業労働組合を承認し、当組合との協議・交渉に関する条項は労働協約に明記しています。当組合には2019年9月末時点で当社の役員・管理職を除く一般従業員3,369名が加入しています。
労使で経営上の課題を共有し、当社グループのあるべき姿に向けて協議するため、労使それぞれの代表が一堂に介し、労使経営対策協議会(年6回)および中央協議会(年1回)を開催しています。
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中央協議会の様子
また、TOYO TIRE NORTH AMERICA MANUFACTURING INC.(米国)においては、従業員と経営層とのコミュニケーションの促進を目的として、全ての従業員を対象に毎年バースデー・ミーティング(Birthday Meeting)を開催しています。10年以上行われてきたバースデー・ミーティングでは、業務改善や職場環境改善につながる提案や質問が自由に取り交わすことができる重要なコミュニケーション機会となっています。
教育研修の充実
当社グループは、人材は継続的事業成長を支える最重要資源であると捉え、人的資源開発の重要性を認識し、労働環境の変化の中で、従業員が事業経営目標を達成できるスキルを習得することを目的とした教育研修の充実を図ってきました。
例えば、TOYO TIRE株式会社では研修体系を大きく「階層別」「選抜型」「自己啓発」の3つに分類し、それぞれの類型の狙いに沿って、従業員の年次・資格区分に応じたプログラムを設定しています。
また、従業員が将来の目標に向けて意欲的に取り組めるよう、社内におけるキャリア育成方針を明確化し、部署ごとにキャリアパス計画書を作成して社内公開しています。
当社では上司部下とのキャリア面談や中期的育成計画に基づき、従業員のキャリア開発に関して定期的なレビューを実施しています。そして、雇用適性の維持と促進を目的として新任管理職のための研修や40歳を迎えた従業員を対象としたキャリアデザイン研修、退職を間近に控えた従業員を対象とした移行支援セミナーを実施しています。
TOYO TIREグループ各社においても、事業課題に応じた教育方針のもと、人材育成に注力しています。
例えばTOYO RUBBER CHEMICAL PRODUCTS (THAILAND) LIMITEDでは、全従業員を対象としたコンプライアンス研修やチームワークで業務効率化を高める研修の他に、監督者のためのリーダーシップ研修や品質マネジメントの内部監査員研修など、従業員の階層・職種に応じた研修を充実しています。
また、TOYO AUTOMOTIVE PARTS (USA), INC.では、CWI(Certified Welding Inspector)認定トレーナーによるTWI研修(Training Within Industry)を導入しています。TWI研修はチームリーダーや管理者を対象とした監督者の基本教育を目的とした研修で、部下への指導、作業改善、職場内コミュニケーションなどについて学びます。
2019年度研修実績(TOYO TIRE株式会社)
階層別研修
研修名 | 対象 | 研修時間 | 受講者数 |
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ロジカルシンキング研修 | 入社5年目 | 14時間 | 33名 |
プレゼンテーション研修 | 入社6年目 | 15時間 | 26名 |
上級ファシリテーション研修 | 入社6年目の上位者 | 14時間 | 34名 |
経営リテラシー通信教育 | |||
経営戦略ベーシック | 入社6年目 | 4か月間 | 22名 |
経営戦略アドバンス | 入社12年目 | 4か月間 | 30名 |
マーケティングベーシック | 入社6年目 | 4か月間 | 22名 |
マーケティングアドバンス | 入社12年目 | 4か月間 | 30名 |
アカウンティングベーシック | 入社6年目 | 4か月間 | 22名 |
アカウンティングベーシック | 入社12年目 | 4か月間 | 30名 |
ファイナンス(アドバンス) | 入社12年目 | 4か月間 | 30名 |
選抜型研修
研修名 | 研修時間 | 受講者数 | |
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海外トレーニー | 最長2年 | 3名(新規赴任者) | |
経営人材育成研修 | -ACTⅠ | 70時間+eラーニング140時間 | 6名 |
-ACTⅡ | 77時間+eラーニング140時間 | 5名 |
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研修風景写真