品質向上の取り組み

開発・生産プロセスの質の向上

TOYO TIREはものづくりにおいて事業プロセスの上流で品質向上を達成することが重要と考えており、市場投入した製品・サービスに対する品質のみならず、開発・生産プロセスにおいても質の向上を目指しています。
当社グループが新規に開発している製品については、製品企画から生産準備段階に至るまでの間、その節目節目で行われるデザインレビューを品質保証部門がチェックし、製品および製造プロセスに対して確実な品質設計がなされるように活動しています。
また、2019年10月に竣工したTOYO TYRE MALAYSIA SDN BHDの新たな生産工場棟には、TOYO TIREの最新技術とIoTを搭載したタイヤ生産オペレーションシステムを導入し、生産プロセスにおける品質ロスコスト削減を目指します。

各国の品質規格への対応

気候変動リスクの高まりや、新興国を中心とした人口増加と経済成長によるモビリティの需要拡大等を背景に、自動車の燃費の向上やCO2排出量の削減を促進するため、世界各国・地域で性能・環境品質に関する制度や規制の導入が急速に進んでいます。そうした複雑化する各国の品質関連法規に漏れなく対応することで、当社グループ全体で品質規格への対応強化を図っています。

当社が開発するタイヤの実験および評価を行う国内4拠点では、ISO/IEC17025(試験所および校正機関の能力に関する一般要求事項)に適合した試験運営を行っています。2013年の初回認定以降、試験精度や信頼性向上に取り組みます。

また当社グループでは年に1回、タイヤ、自動車部品の各事業において、国内外の生産拠点の品質保証責任者・関係者が一堂に会するグローバル品質保証会議(Global Quality Management Committee:Global QMC)をそれぞれ開催しています。本会議では、各拠点における製品品質、工程の品質システム改善、お客さま(お取引先)から要求されている物流品質、サプライヤー品質に関する取り組みなどを共有し、議論しています。


ISO/IEC17025認定書

品質規格への対応の例

  • 現地での情報収集
  • 業界団体への活動参画を通じた提言活動
  • 規制機関との意見交換
  • 最新法規動向の情報配信
  • 法規制に関する説明会の開催

厳しい欧州などのタイヤ規制に独自の技術力で対応

タイヤの転がり抵抗とウェットグリップ性能の関係タイヤの転がり抵抗とウェットグリップ性能の関係

気候変動リスクの高まりを背景に、タイヤが自動車の燃費の向上に果たす役割も重要になってきています。走行時にタイヤと路面の間に生じる摩擦(転がり抵抗)を小さくすることでタイヤはよく転がり、同量の燃料でより長距離を走ることが可能になります。すなわち燃費は良くなりますが、反面、摩擦が小さくなれば一般的にタイヤの止まる力(グリップ力)は低下し、濡れた路面ではより大きな影響を受けます。低燃費タイヤの開発においては、転がり抵抗を低減させることと同時に高いウェットグリップを確保することが不可欠といえます。

日本では、2010年から業界自主基準により、転がり抵抗性能とウェットグリップ性能をグレーディングシステム(等級制度)に基づいて表示する「ラベリング制度」を運用し、両性能が一定以上の等級に該当するタイヤを「低燃費タイヤ」として、普及促進を図っています。

欧州では、2012年からEU内で販売される乗用車用タイヤに、転がり抵抗性能・ウェットグリップ性能・騒音性能の表示を法令によって義務づけ、厳しい運用を行っています。さらに、2017年11月からは、これらの性能が一定レベル以下のタイヤは、EU向けには出荷できなくなりました。

当社グループは、要求性能が高い欧州市場で評価されるハイパフォーマンス製品の開発に挑戦することで、継続的に技術力を強化しています。それらの製品をグローバルに展開することで、各国・地域での自動車の環境対応にも貢献していきます。

日本のラベリング制度による表示(左)とEUラベリング制度による表示 日本のラベリング制度による表示(左)とEUラベリング制度(右)による表示

品質・顧客満足度の維持改善

当社グループはものづくり企業として、製品・サービスを通じて顧客(消費者)、そして社会とつながっていることを理解し、製造現場では製品品質の維持向上のため、日々努力と研鑽を重ねています。またその他の全ての職場においても「企業人としての品質」の向上を意識し、顧客を第一に考えた製品・サービスの提供に努めています。
また、発売中製品の市場における製品満足度を継続的に調査し、お客様のご要望を設計現場、製造現場にフィードバックしています。

TOPIC
持続可能な成長の源泉となるQCサークル活動
12.つくる責任 つかう責任

当社グループでは、現場目線での「気づき」をもとに品質管理水準を自ら主体的に高めるQCサークル活動を50年以上行っています。製造現場で始まった活動は今では販売部門にも広がり、全拠点で300超のサークルが存在します。いずれのサークルでも課題解決のためメンバーそれぞれの経験と知見を持ち寄り、現状把握・目標設定・活動計画・課題解析を行うことで品質改善を重ねています。
そして、毎年「全社QCサークル大会」開催し、活動内容や成果をグループ全体で共有し、相互研鑽を図っています。2019年度は予選を通過した国内6サークル、海外5サークルが出場し、品質改善活動について発表しました。今大会は品質改善の枠にとどまらず、働き方改革や省資源化などSDGsに関連した活動の発表もあり、日々の品質改善活動が企業のサステナビリティにつながることについて、現場レベルでも理解が進みつつあることが確認できました。

販売会社におけるサービス品質向上の取り組み

当社グループのタイヤ販売会社では、顧客(消費者)が信頼・安心・満足して当社製品を選んでいただけるよう、営業担当者やフロント業務担当者の顧客対応力の強化に努めています。
例えば日本国内においては、株式会社トーヨータイヤジャパン及び自主系販売会社で、営業、フロント、技術の各職種で必要なサービス品質を備えた人材を育成するための職種別教育を展開しています。さらに顧客に対して製品価値をわかりやすく、正しく伝える意識を日頃から持ち、実践するスキルを養うため、営業担当者を対象とした「全国伝道活動コンテスト」やフロント業務担当者を対象とした「全国フロント電話応対コンテスト」を開催しています。
「全国伝道活動コンテスト」では、例えばトラック・バス部門において、コストの増加や燃費基準の厳格化などの運輸業界が抱える課題に対し、当社の製品による解決の提案を競い合っています。当コンテストを通じて、自身の業務がお客様のみならず社会課題の解決にも貢献していることが理解でき、従業員のやりがいの創出やモチベーションの向上にもつながっています。

TOPIC
株式会社トーヨータイヤジャパン:
トラック・バスタイヤ作業コンテストを開催
3.すべての人に健康と福祉を 4.質の高い教育をみんなに 8.働きがいも経済成長も 11.住み続けられるまちづくりを

株式会社トーヨータイヤジャパンではトラック・バス営業のサービス品質向上を目的として、トラック・バスタイヤ作業コンテストを開催しています。
運輸業界ではドライバーや整備士の人手不足を要因とした整備不良による交通事故が問題となっています。当コンテストは安全啓発活動の一環として社会の関心を集めています。
2019年度は日本国内の自主系販売会社で活躍する営業サービス担当者も参加し、13名が知識と技能を競いました。年々参加者のサービスレベルが向上していますが、今後もサービスの先にある市場ニーズにこたえ、交通事故のない安全な社会づくりに貢献できる人材を育成していきます。

  • トラック・バスタイヤ作業コンテスト トラック・バスタイヤ作業コンテスト

タイヤ安全啓発活動

当社グループは、定期的なタイヤの点検が安全性につながることを、消費者の皆様方に啓発していくことは、タイヤメーカーの使命であると考えており、毎年、タイヤの安全啓発イベントを開催しています。

TOPIC
TOYO TIREの「タイヤ安全啓発活動」が
日刊自動車新聞用品大賞2019で特別賞を受賞
3.すべての人に健康と福祉を

TOYO TIRE株式会社および株式会社トーヨータイヤジャパンがドライブシミュレーターを用いて取り組んでいる独自のタイヤ安全啓発活動が、ドライバーに仮想体感を通じてタイヤの重要性を認識させる活動は他に例がないなどと評価され、日刊自動車新聞用品大賞2019において特別賞を受賞しました。
当社グループではモビリティ社会に広く貢献していく企業として、製造・販売したタイヤをドライバーの皆さまに適正に使用いただくよう啓発することも大事な使命の一つであると考えています。日本国内においては「タイヤの日」として定められている4月8日を基点に、安全啓発活動を実施しています。
2019年度は、タイヤ空気圧の違いによる操縦安定性の比較やハイドロプレーニング現象*での走行など、普段、自ら進んで体験することのできないシチュエーションを実際に体感いただけるよう、独自にソフト開発したシミュレーションシステムを導入しました。これまで、全国9会場で1,000名近くの方に体験いただきましたが、そのうち96%の方々から「タイヤの安全に対する意識が変わった」との感想をいただきました。
これからも一人でも多くの皆さまにタイヤのメンテナンスに関心を持っていただけるよう、様々な工夫を凝らした安全啓発活動に取り組み、道路交通事故発生件数の減少に貢献します。

*ハイドロプレーニング現象:水のたまった道路を走行する際、タイヤと路面の間に水の膜ができ、タイヤが水の上を滑走する現象。

  • タイヤ点検

消費者の声に対する取り組み

当社グループに日々寄せられている顧客(消費者)の貴重なお声一つひとつは、当社グループへの期待を理解し、製品・サービスを改善する機会であると考えています。
2019年度に国内お客様相談室へ寄せられた相談件数は2,386件でした。電話やWebサイトから寄せられた顧客からのご相談に対しては、お客様相談室が「正確さ」と「わかりやすさ」を第一に説明を行っています。
例えばタイヤに関するお問い合わせに対し、可能な範囲で詳細な情報を把握した上で、ご利用中の車種やご希望の性能に応じた製品提案や適正空気圧や交換時期、保管方法など「正しいタイヤの使い方」のご案内を行いました。
また、寄せられたご相談やお問い合わせはその内容を分析し、社内の関係部門に提言することで、製品およびサービスに対する「利用しやすさ」の向上につなげています。
苦情のお申し出に際しては、迅速な、かつ顧客にご満足いただける対応に努め、問題やご不満を解決することで、顧客と良好な関係を築き、またその関係を維持できるように、当社グループの営業所および技術サービス部門と連携して真摯に取り組んでいます。