水リスク低減への取り組み

水リスク低減への取り組み

TOYO TIREは、水の利用が人間の生活と福祉に必要不可欠であり、国連により人権として認められている権利であり、企業活動における水リスクが経営課題の一つであると認識しています。
水リスクへの対応について、全社横断的なワーキンググループ(WG)を設置し、方向性や目標・ターゲットなどアクションプランを協議しています。WGには、関係する事業組織の担当者が参集し、協議したアクションプランは取締役会から委任された常務会(議長:社長)で承認され、グループ全社・全組織へ展開されます。
WGではCDP(シー・ディー・ピー)の水に関する質問書の内容を参考に、企業が取り組むべきウォーターセキュリティ対策の検討を進めています。当社グループは世界資源研究所のアキダクト(Aqueduct)が開示しているアキダクト・ウォーター・リスク・データ(Aqueduct Water Risk Data)を用いて、製造拠点の周辺において事業活動に対する水関連インパクトの特定を行い、インパクトの大きさに応じた効率的な水利用によって取水量・排水量の削減に取り組みます。今回の評価で、現在および将来的に水関連インパクトが大きいと評価される地域で操業する拠点においては、水利用計画の見直しや作業工程における改善、リサイクル水の活用促進の検討を進めていきます。

共有資源としての水との相互作用

事業活動(製造)に対する水関連インパクトの特定

特定方法: 2019年2月末時点の「アキダクト・水リスク・アトラス」(世界資源研究所)による評価
評価結果: 当社グループが製造拠点を置く諸城市(中国)周辺では、水の需要者が多く、かつ水の供給量の年変動、月変動が大きいことから、現時点でこの地域における水関連インパクトが大きいと評価された。また、2030年の予測結果として、この先も安定した経済発展が進む場合、当社グループが製造拠点を置く地域のうち、諸城市、張家港市(ともに中国)、およびパーントーン郡(タイ)の周辺では現在の1.4倍、ペラ州(マレーシア)周辺では現在の2倍、その地域の水の供給量に対する需要量の比率が現在よりも増加する見込みと評価された。

その他、現時点では当社グループにおいて、特に脆弱性が高いと専門家が認める水域や、国内または国際的に指定された保護地域など、生物多様性の観点から高い価値のある水源、地域コミュニティや先住民族にとって、高い価値や重要性があると認められている水源からの取水、およびそうした水域、水源への排水を行っている事業拠点が存在しないことを確認* しています。なお現時点で当社グループが報告するのに十分な精度の情報を得ることが困難な影響に対しては、今後水リスクの高まる恐れがあるエリアを優先して現状把握に努めます。

  • *特定方法:以下の情報を用いて特定。
    ラムサール条約湿地(Ramsar Sites Information Service)、世界遺産自然遺産(UNESCO-World Heritage Center)、自然環境保全地域(環境省)、国指定文化財等天然記念物(文化庁)

取水量・排水量の削減

当社グループは主に製造拠点においてボイラー設備、部品処理施設、生産部品の冷却、クーリングタワー(冷却塔)、厚生施設等で地方自治体の水道や他の公営・民間水道施設、および地下水を使用しています。取水・排水に関しては、製造拠点ごとに事業規模や取り扱う製品などの状況に応じて自主目標を設定し、各工程で使用した水を極力循環再生するように設備改善を進めています。
例えば2018年度、東洋ソフラン株式会社では13台のクーリングタワー(冷却塔)を使用しており、水のリサイクル率は96%です。また当社桑名工場では、ボイラーの運用見直しにより800m3/月の取水量を削減したほか、再利用水の活用に向け、リサイクル水として使用可能な排水の分析を実施しています。

なお、2018年度は当社グループにおいて計画想定外の排水はありませんでした。

取水量

(千kL)

2016年 2017年 2018年
総取水量 3943.7 3892.8 3719.6
国内取水量 3131.1 3027.9 2833.0
水源別取水量
地表水(山水) 20.4 18.8 0.0
地下水 2921.3 2808.0 2629.9
第三者の水(地方自治体の水道や他の公営・民間水道施設から供給) 189.4 201.0 203.1
  • *国内において現時点で高い水ストレスを伴う地域での操業はありません
  • *2017年まで国内の1製造拠点において地表水(山水)を水源とする水を使用していました。しかし、当該地域においては降水量の季節変動幅が年々拡大しつつあり、今後も複数の気候シナリオ(気象庁)において、「冬季の無降水日数の増加が顕著となる」との予測がされていることから、事業継続に必要な量の水を将来的に安定して供給すること、および同じ水源の地表水を利用している周辺地域の水セキュリティへの配慮を目的として、2018年から水源を第三者の水(工業用水)に切り替えました。
海外取水量
全地域 812.6 864.9 886.6
水源別取水量
地下水 95.3 101.9 105.0
第三者の水(地方自治体の水道や他の公営・民間水道施設から供給) 717.3 763.0 781.7
うち、高い水ストレスを伴う地域 95.3 101.9 105.0
水源別取水量
地下水 95.3 101.9 105.0
第三者の水(地方自治体の水道や他の公営・民間水道施設から供給) 0.0 0.0 0.0
  • ※現時点で取水している水は全て淡水(総溶解固形分濃度が1,000mg / L以下の水)です

当社の製造拠点における排水に関するインパクトのマネジメントおよび排水量

仙台工場

水質管理項目:pH、BOD、COD、SS、フッ素、ホウ素、亜鉛、n-Hex(鉱物)
規制基準:法規制値

(千kL)

2016年 2017年 2018年
排水量 - 983.3 773.8
排水先別取水量
公共水域 *五間堀川 - 905.0 747.9
第三者の水(地方自治体の管理する下水) - 78.3 25.9

桑名工場

水質管理項目:pH、BOD、COD、SS、n-Hex(鉱物)、窒素、りん、フッ素、大腸菌群数、硝酸性窒素および亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素、アンモニア等
規制基準:条例規制値および自治体との公害防止協定規制値

(千kL)

2016年 2017年 2018年
排水量 - 418.7 420.4
排水先別取水量
公共水域 *三孤子川 - 353.1 358.8
第三者の水(地方自治体の管理する下水) - 65.5 61.6

兵庫事業所

水質管理項目:pH、BOD、COD、SS、n-Hex(鉱物)、窒素、りん、亜鉛、大腸菌群数、ジクロロメタン
規制基準:法規制値

(千kL)

2016年 2017年 2018年
排水量 - 109.3 109.1
排水先別取水量
公共水域 *瀬戸川 - 108.5 109.1
第三者の水(地方自治体の管理する下水) - 0.8 0.0
  • ※現時点で排水している水は全て淡水(総溶解固形分濃度が1,000mg / L以下の水)です
  • ※現時点で上記拠点の周辺地域は高い水ストレスを伴う地域に該当しません

当社の製造拠点における水消費

(千kL)

2016年 2017年 2018年
仙台工場 - 441.3 578.9
桑名工場 - 536.6 533.9
兵庫事業所 - 63.1 70.0
  • ※現時点で上記拠点の周辺地域は高い水ストレスを伴う地域に該当しません