取り組むべき課題
- 社会要請に応え、その存在価値が評価・期待され続ける企業経営
- 健全な企業文化とビジネス慣習の浸透
取り組み方針
当社グループは、実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を目的として、コーポレートガバナンス・コードの原則を適切に実践します。株主の権利・平等性を確保し、株主以外のステークホルダーとの適切な協働及び対話に努め、そのための適切な情報開示と透明性の確保に取り組みます。
取締役会は、株主に対する説明責任を踏まえ、会社の持続的成長と中長期的な企業価値の向上のため、収益力の向上、資本効率の改善などを図る役割・責務を適切に実践します。
当社の理念体系を成す「社是」「私たちの使命」「私たちのありたい姿」「私たちの持つべき価値観」に掲げられている考えを実践します。ステークホルダーの期待に応え、企業価値の向上を図るべく、経営の透明性と効率性を追求し、適切な経営体制の維持・構築をめざして、コーポレート・ガバナンス、内部統制システム、コンプライアンス強化をより一層図ります。
理念の体現に不可欠となるコンプライアンスの強化の取り組みにおいて、誠実に事業活動を行うためのグループ各社共通の行動原則として「TOYO TIREグループ企業行動憲章」を、そして役員・従業員一人ひとりが企業行動憲章を実践するために「TOYO TIREグループ行動基準」を定め、グループ全体への浸透を図っています。企業行動憲章、行動基準について適宜見直しを行い、改定の必要が生じた場合は、取締役会において決議しています。
- コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方(コーポレート・ガバナンス報告書)
- TOYO TIREグループ企業行動憲章
- TOYO TIREグループ行動基準
- 腐敗行為・贈収賄行為の防止に関するグローバル方針(2019年1月)
英語版・中国語版は以下をご参照ください。
責任者(2025年4月現在)
執行役員 コーポレート統括部門管掌
活動推進体制(2025年4月現在)
ガバナンス構造
ガバナンス構造として、意思決定・監督機関である「取締役会」、その下に取締役の人事・報酬等に関する取締役会の諮問機関である「指名報酬委員会」を設置しています。また、執行の意思決定機関である「経営会議」、その傘下には分野別の審議・協議機関である各種「専門委員会」を置いています。取締役会及び取締役の職務執行の監査機能を果たす機関として「監査役会」があり、それぞれ機能を十分発揮できる体制を整えています。
取締役会は原則月1回開催し、代表取締役及び役付取締役の選定、経営の基本方針の決定、重要な投資計画の承認、株主総会の招集及び株主総会に付議すべき議題ならびに提出すべき議案と書類(計算書類・附属明細書を含む)の決定または承認、業務執行状況の報告を行うなど、重要事項の決定や取締役の業務執行状況の監督を行っています。社外取締役は、取締役会に出席し、活発に意見を交わして、経営の監視・監督に努めています。また、取締役会は経営会議及び各種専門委員会において審議・報告された、経営上の重要なリスクについて定期的に報告を受け、リスク管理の監督及び実効性評価を行っています。
取締役会の諮問機関として設置している指名報酬委員会は2024年度において3回開催し、役員候補者、役員報酬方針及び役員報酬額等について審議し、取締役会に対して助言・提言・答申を行っています。
社内取締役に当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、株主の皆さまとの一層の価値共有を進めることを目的として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
なお、当社は利益相反を適切に管理しています。当社が選任した社外取締役は一般株主との間に利益相反が生じる恐れはないと判断し、東京証券取引所に独立役員として届け出ています。また取締役会に関して定期的に第三者機関による外部評価を実施することで、取締役会の機能性と実効性を確保しています。
ガバナンス構造(2025年4月現在)

- ※ 2025年1月1日より「危機管理委員会」から名称変更しました。
名称 | 年間回数 | 議長/委員長 | 内容 |
---|---|---|---|
監査役会 | 14回 | 常勤監査役(特定監査役) | 取締役会及び取締役の業務執行の監査 |
取締役会 | 17回 | 会長 | 意思決定・監督機関 |
経営会議 | 25回 | 社長 | 執行の意思決定機関 |
サステナビリティ委員会 | 4回 | 社長 | 当社及びそのグループ会社のサステナビリティに関する重要課題及びサステナビリティ経営を強化・推進していくための方針・戦略を審議 |
コンプライアンス委員会 | 4回 | チーフコンプライアンスオフィサー | 当社及びそのグループ会社のコンプライアンスの推進、充実及び強化を図るための協議及び検討 |
危機管理委員会※1 | 4回 | 危機管理統括※2 | 危機事象への対策の企画および管理に関する議題について審議、並びにリスクマネジメントの継続運用 |
組織人事委員会 | 12回 | 社長 | 組織人事関連の重要課題について審議 |
技術委員会 | 12回 | 技術統括部門管掌 | 経営ビジョン・中期経営計画の実現のために、コアコンピタンスとする基盤技術・先行技術の強化に関する重要事項、及び技術全般に関する重要事項について審議 |
品質保証委員会 | 4回 | 品質環境安全統括部門管掌 | 当社及びそのグループ会社の全社的な品質保証体制を推進、運営するための基本方針、方策等を策定するとともに、重大品質問題の対応策を審議し、品質保証担当部門を中心とする各部門に対して、方針、方策または対応策等を実施 |
投融資委員会 | 26回 | 経営管理本部長 | 当社及びそのグループ会社の投融資について審議 |
- ※1 2025年1月1日より「リスクマネジメント委員会」へ名称変更しました。
- ※2 2025年1月1日より「リスクマネジメント統括」へ名称変更しました。
内部統制システム
会社法に基づき、内部統制システムの構築に関する基本方針を取締役会で決議し、体制の整備を図っています。基本方針については、経営環境の変化などに応じて毎年見直しを行い、一層実効性のある内部統制システムの整備・運用に努めるとともに、見直し内容については取締役会で決議しています。
当社グループは、2006年から内部通報制度を運用しています。危機事象へ発展する恐れがあるコンプライアンス事案などの懸念事項に対して、当社グループ従業員が直接通報・相談できる仕組みとして「ホットライン相談窓口」を設置、同制度にて通報・相談手段を複数確保する、匿名の通報・相談を認める、退職者及び取引先からの通報・相談を受け付けるなど、必要な情報がガバナンス機関へ上がりやすい体制を整備・維持しています。
- ※ TOYO TIRE株式会社

- ※ 2025年1月1日より「危機管理委員会」から名称変更しました。
お問い合わせ窓口
- ホットライン相談窓口(内部通報制度)…【対象】役員、従業員、取引先
- お客様相談室…【対象】顧客(消費者)、地域社会他
- Webお問い合わせフォーム…【対象】顧客(消費者)、株主・投資家、地域社会他
- IRミーティング…【対象】株主・投資家
活動を推進する主な資本(2024年)
- 役員報酬総額(2024年)
- 取締役(8名)…272百万円 ※上限450百万円/年
- 監査役(7名)…65百万円 ※上限80百万円/年
- ※ 上記員数及び報酬等の総額には、社外役員(社外取締役及び社外監査役)8名に対する報酬70百万円を含む。
- ※ また、上記には2024年度中に退任した監査役2名(うち社外監査役1名)に対する報酬を含む。
- ※ 上記報酬等の総額には2024年に計上した役員賞与引当金100百万円を含む。
- ※ 上記取締役の報酬等の総額には、譲渡制限付株式の付与のための報酬額として10百万円を含む。
取り組み:コーポレート・ガバナンス
理念の浸透
当社グループでは、2017年の理念制定以降、すべての役員および従業員が理念を仕事の基軸として取り組むべく浸透活動を展開しています。
当社グループが大切にしていきたい思い、考えを「言葉」に示した理念では、将来にわたって継承し続けていく大切な創業の精神として、「社是」をその最上位概念として位置づけ、社会における自らの存在意義を「私たちの使命」として定義、それを果たすためにめざすべき企業像を「私たちのありたい姿」として明文化しています。また、すべての役員・従業員が等しく大切にしていきたい考えの拠りどころとして「私たちの持つべき価値観」を定めています。
2021年2月に発表した新中期経営計画「中計’21」においても、理念を実現していくことが当社の存在意義であり、経営計画は理念の実現のためにあることを明確に示しました。
理念浸透を継続して図るため、各種社内研修の最初のプログラムに理念講義を導入しています。理念を策定した背景や会社の歴史を紐解いたうえで当社の理念体系について理解を深めるための講義を実施しています。また、新任昇格者向けの階層別研修では、講義に加えてワークショップを行い、当社の強みと課題を認識することで受講者自身の行動改善につなげています。若手社員から中堅、管理職、部門長へと段階的に実施することで、若手・中堅社員から挙がった課題認識を管理職・部門長の取り組むべきテーマとして検討し、組織における役割・ポジションを踏まえて理念をどのように体現していくか考えることができるように一貫性のある内容にしています。
今後もさまざまな立場、階層の従業員に、理念をいかに職場で体現していくか、グループワーク等で話し合う場を設けていきます。
取締役会の取り組み
取締役会は、取締役8名(うち社外取締役4名)で構成しており、経営方針・目標・戦略などの重要事項に関する意思決定及び取締役の業務執行状況を監督しています。具体的には、代表取締役及び役付取締役の選定、経営の基本方針の決定、投資計画の承認、株主総会の招集及び株主総会に付議すべき議題並びに提出すべき議案と書類(計算書類・附属明細書を含む)の決定または承認、業務執行状況の報告等です。2024年は臨時も含め17回開催しました。また、社外取締役は、取締役会をはじめ重要な会議に出席し、活発に意見を交わして、経営の監視・監督に努めています。
取締役会は、経営会議及び各種専門委員会において審議・報告された、経営上の重要なリスクについて定期的に報告を受け、リスク管理の監督及び実効性評価を行っています。
取締役会の実効性評価
当社では持続的成長と中長期的な企業価値の向上のため、2017年から毎年、取締役会の運営・構成・活動等に関する分析及び評価を行い、取締役会の機能向上を図っています。なお、公正性を担保するため、集計及び評価は第三者機関に委託しています。
今年度の主な更新点は評価項目です。従来の内容に加え、当社の持続的成長を支える経営基盤の柱の一つとして、中計’21にも掲げるDXに関する設問を追加しました。
評価の概要
評価主体 | 各取締役・監査役による自己評価及び第三者機関による評価 |
評価手法 | アンケート方式(全19問) |
回答方式 | 5段階評価として、設問ごとにコメントを記載 |
評価項目 | 1取締役会の構成と運営(10問) →取締役会の規模・構成・運営状況、情報提供の質等 2経営戦略と経営計画(5問) →策定や方向性の決定にあたっての議論の状況及び貢献度等、 リスクと機会を踏まえたサステナビリティの取り組み、 DX推進状況に関する報告及び議論等 3リスク管理(2問) →リスクテイクの後押し、経営の監督等 4全体評価(2問) |
評価のプロセス
前年 | 12月頃 | 評価方法の検討 |
当年 | 1月中旬 | 取締役・監査役へのアンケートの実施 |
3月初旬 | 第三者機関による集計及び評価のフィードバック | |
3月下旬 | 取締役会への報告及び今後の対応の検討 |
2024年度の評価結果の概要及び今後の対応
ポジティブな評価が大勢を占めており、前年度からの課題事項の改善もみられることから、取締役会全体の実効性は確保されていると考えています。第三者機関からも、当社の取締役会は概ね適切に機能しており実効性が確保されているとの評価を受けています。
評価項目別では、「経営の監督」で引き続き高い評価が得られました。課題であった「情報提供の質及び時期」については、業務執行状況の報告等の充実により情報提供の質の面で改善が見られるとの評価を得ており、情報提供の時期でも取締役会資料の事前提供の更なる早期化を実施するなど、継続的な情報提供方法の改善に取り組んでいます。
また、取締役会では自由に発言できる機会は保たれているものの、更なる議論の活性化を図るための取り組みが必要との意見があるため、十分な審議時間の確保や議論すべき論点が明確となるような説明、資料作成の実施を検討いたします。
また、新たに設問項目として追加した「DX推進状況に関する報告及び議論」については、DXの将来的な活用方法に関する更なる議論の必要性が認識されたため、議論の機会確保に努める等、適切な対応を検討していきます。
指名報酬委員会
当社は、取締役の人事・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を一層強化し、コーポレート・ガバナンス体制をより充実させることを目的として、取締役会の諮問機関として任意の指名報酬委員会を設置しています。
指名報酬委員会は、取締役6名(うち社外取締役4名)で構成しており、2024年は年3回開催し、取締役の選任・解任・報酬等に関する事項について審議し、取締役会に対して助言・提言・答申を行っています。なお、当委員会は取締役会の決議により選任された3名以上の取締役で構成し、委員の過半数は社外取締役となり、委員長は委員の中から取締役会の決議で選任します。
監査役会
監査役会は、社外監査役3名を含む監査役5名で構成しており、監査に関する重要事項について報告、協議、決議を行っています。
監査役は取締役会、経営会議などの重要会議に出席し、適宜問題提起を行い、業務執行が適切に行われているかの確認及び監査の実効性の向上を図っています。
株主・投資家との対話
当社は、年に一度、定時株主総会を、四半期決算ごとに決算説明会を開催しています。通期および中間の決算発表時には、経営トップから機関投資家・証券アナリストの皆さまに業績動向、事業環境、将来展望などをお伝えしています。決算発表の機会以外にも、機関投資家・証券アナリストの皆さまの関心事に応じて、社長をはじめとする経営幹部によるエンゲージメントや、IR部によるコミュニケーション機会(個別取材)を設けるなど、当社グループの戦略についての理解促進を図っています。また、海外機関投資家の皆さまからの対話要請に対しても、個別取材やカンファレンスの開催を通じて、積極的に対応しています。
2024年は、延べ76社87名の株主を含む機関投資家・証券アナリストに対して経営幹部によるエンゲージメント(6回)、また同じく延べ280社418名に対してIR部による個別取材対応を実施しました。10月にはWeb会議システムにより、機関投資家・証券アナリストの皆さまと担当役員との対話機会となるESG説明会を初めて開催しました。ESG説明会では、同年7月に更新・発刊した統合報告書を共通のツールとして、マテリアリティやガバナンスなど、ESGに関する活動についての意見交換を行いました。さらに、主に当社のガバナンス体制やサステナビリティへの取り組みをテーマとして、SR担当者による国内機関投資家をはじめとする株主の皆さまとの対話も継続的に行っています。対話によって得られた意見や要望は、速やかに社内にフィードバックし、開示情報の充実などさまざまな面での改善につなげています。
コミュニケーション・ツールの充実
当社グループの事業戦略・目標・現在の取り組み状況などの総合的な経営情報を、迅速かつ分かりやすくお伝えできるよう、決算説明資料をはじめとする各種資料やIRサイトへの掲載内容の拡充・改善を随時行っています。また、国内外の機関投資家・証券アナリストの皆さまをはじめ、多くのステークホルダーに当社グループへの理解・関心を深めていただくためのツールとして統合報告書を発行しています。2024年10月にはWeb会議システムにより、機関投資家・証券アナリストの皆さまと担当役員との対話機会となるESG説明会を初めて開催しました。ESG説明会では、同年7月に更新・発刊した統合報告書を共通のツールとして、マテリアリティやガバナンスなど、ESGに関する活動についての意見交換を行いました。