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プレスリリース

2007.02.28

ランフラットタイヤ「PROXES R33 TRF」の発売

東洋ゴム工業株式会社(社長:片岡善雄)は独自のサイド補強型ランフラットタイヤ「TOYO RUN FLAT」(TRF)の開発を進めてきましたが、平成19年2月より国内市販用タイヤ市場向けに新商品「PROXES R33 TRF」を発売します。

発売サイズは245/40ZR18の1サイズで価格はオープン価格です。


空気圧がゼロになったときに大きな横力が加わるとホイールからタイヤが脱落しないようにするために、従来のサイド補強型ランフラットタイヤはサイドの補強ゴムを増強したり、タイヤ剛性そのものを高める必要があったため、乗り心地を犠牲にせざるを得ませんでした。


当社はタイヤの脱落を起こしにくくした上で乗り心地をも良くする技術として「TOYO RUN FLAT」(TRF)を開発しました。

 



●「TOYO RUN FLAT」(TRF)の特長

1)非対称ダブルビード構造

「TOYO RUN FLAT」(TRF)は非対称構造を持ち、アウト側にはホイールを包み込むようなプロテクターを配し、その中に金属のビードを施すダブルビード構造を採用。コンピューターシミュレーションにより形状や構造の最適化を施しました。これにより空気圧がゼロになった状態でもホイールからのタイヤの脱落を起こしにくくしました。

技術概念

<従来のサイド補強型ランフラットタイヤで問題のあったタイヤ脱落限界の向上をダブルビード構造で解決。サイド補強ゴムを柔らかく、低発熱にすることでパンク時の耐久性の確保と同時に乗心地の向上も実現します。>



 
タイヤ脱落限界向上のために  :  旋回時の荷重移動量より車両のアウト側負荷が大きいことからタイヤのアウト側にダブルビード構造を採用しました。
乗心地向上のために  :  一般にサイド補強型はタイヤ脱落限界向上、パンク時の耐久力を両立させるためにサイド補強ゴムとして硬めの配合を使用しなければなりませんでしたが、TRFは耐久力にだけ注力すれば良いため、柔らかい配合が使用できます。
パンク時の耐久力向上のために  :  柔らかいが発熱の低い配合(ソフトサイドサポーター)を開発して乗心地との両立を実現させました。

 

 

 

 



2)ソフトサイドサポーター

タイヤの両サイドには各々に補強ゴムとして新しく開発したソフトなパッドゴム(ソフトサイドサポーター)を採用。大粒径カーボンと低発熱性ゴムを用いることにより、柔らかく、高温にさらされても物性変化の少ない補強ゴムとすることで、通常時の乗り心地と静粛性、耐久性(性能寿命)向上を実現しました。

技術概念

<(1)柔らかく、(2)発熱が低く、(3)高温にさらされても物性変化が少ないゴム>

 
(1) 非対称ダブルビード構造によりソフト化可能
(2) 大粒径カーボン採用により分散UPして発熱低下(抑制)

大粒径カーボンブラックを採用することにより、同配合量でもその分散が向上してカーボン間の摩擦(≒熱)が減少して、発熱抑制できます。

 

 

 

 
(3) 加硫システムの最適化により、熱履歴による強度低下(著しい硬化)を抑制

一般的にタイヤは走行時の熱履歴等によって、コンパウンド中の硫黄の再架橋が起こり、硬度が上昇します。今回採用されたコンパウンドでは、加硫システムの最適化により、走行等により熱にさらされても強度低下(著しい硬度変化)を起こさないように改良しました。

 

 


 

加硫システムの最適化(イメ−ジ図)

 

 



(従来技術)発熱抑制(ゴム分子拘束による)のため、硫黄量を多く配合して結果として、経年変化により架橋に関与していない硫黄の再結合がおこりゴム分子の動きが拘束され、ゴム硬度の著しい上昇を招く難点がありました。



 



(最適化技術)加硫システムの最適化により、架橋に必要かつ発熱UPしない最適な硫黄量を導入し、再架橋を防ぎ、ゴム硬度の上昇を抑制しました。


東洋ゴム工業では「TOYO RUN FLAT」(TRF)の基本技術を20年以上前に確立し、緊急車両等にいち早く採用されてきましたが、その後の車両の大型化や高性能化に合わせて技術を進化させたものです。
 

 

以上

 

 

【本件に関するお問合せ先】
TOYO TIRE株式会社 コーポレートコミュニケーション部
(本社) TEL:072-789-9110 FAX:072-773-3272

プレスリリースは報道機関向けの発表文章であり、そこに掲載されている情報は発表日現在のものです。
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