信頼回復に向けて(一連の問題に対する再発防止策)
2015年12月25日公表分
今回の免震ゴム・防振ゴム問題における再発防止策の策定にあたっては、2015年12月18日付調査報告書にて報告された経緯・原因等の判明事実を精査するとともに、調査報告書を作成いただいた外部法律事務所から受領した再発防止への提言をもとに、「一連の問題に対する再発防止策」を策定しました。
断熱パネル問題(2007年公表)、免震ゴム問題(2015年3月公表)、防振ゴム問題(2015年10月公表)と、度重なった不正を全社で反省し、当社に潜在する問題点を正しく認識したうえで、信頼回復に向けて真摯に取り組んでまいります。
度重なった不正の原因(一連の問題を受けた反省)
度重なった一連の不正の原因のひとつには、問題発覚後の対処の甘さや意識の希薄さがあったと考えています。なんとしても再発を防止するという意識の結束が足りず、またそういった意識の結束を促すけじめ、全社的な反省を欠いていました。
事業を行なう上ではお客様がおられ、そのご要望にお応えしていけるだけの正しく盤石な体制をつくり、機能させなければならないところを、潜在的な問題、また顕在化した問題さえも、結果的に看過してきたことが大きな問題だと考えています。企業人として当然有すべき倫理観、責任感を欠落していた、そういう状態が一部には常態化していたということであり、残念ながらそれを容認してきた会社の土壌があるといわざるをえません。
全社的な反省の欠如 | 2007年、断熱パネル問題に対し、網羅的な再発防止策を策定
→並行していた免震ゴム問題、防振ゴム問題の不正を発見できず
= 全社的な問題として捉え、対処していくための総括・反省が不十分
= 各施策が確実に実行されているか否かの確認に対する甘さ = 再発防止を遂行する意志の甘さ |
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組織におけるしくみや管理体制不備の看過 |
= 性能・品質を約束する品質保証のあり方に対する認識が不十分
= 顧客や社会の要請に正しく応えていくしくみ・体制の検証が不十分
= 発覚した問題に迅速かつ適切な対処が行なえるしくみ・体制が不十分
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企業人として持つべき責任感・倫理観の欠如 |
= お客様の期待に背き、社会の信頼を損なう重大な意識の欠落
= 企業人として有するべき倫理観の欠如、規範に則った組織機能の不全 = こうした状態を結果的に看過、黙認していた弱い企業体質 |
抜本的な再発防止をめざして(一連の問題を受けた対策の概要)
再発防止に向けた方針
このたびの免震ゴム・防振ゴム問題は、企業としての体質そのものを問われるような重大な事態と真摯に受け止めています。役員一同、そして全社員とともに過去の過ちとの訣別を誓って、反省をし、再発防止に臨んでいきたいと考えております。
再発防止にあたっては、単に防振ゴムの不正の原因だけを捉えるのではなく、断熱パネル、免震ゴム、防振ゴムといった、一連の問題の本質部分を捉え、不正を二度と起こさないために、「しくみ」と「心」の再構築、「企業基盤」と「企業風土」の抜本的な改革を断行していきます。
今後、当社は不正や不具合に直面したとき、それを直視して対処、改善、撲滅に全力をあげるという企業姿勢を、改めて全社の隅々にまで浸透させ、不正の芽を摘むしくみと倫理観の再構築を行ない、信頼回復を進めていく所存です。
再発防止策の策定の考え方
当社は2015年6月以降、免震ゴム問題の再発防止策に着手しています。今回の防振ゴム問題で判明した不正は免震ゴム問題と類似する原因・背景が見られます。したがって、免震ゴム問題の再発防止策には、今回の防振ゴム問題の再発防止策として機能するものが相当含まれていると考えています。一方、免震ゴム問題発覚後に行なった緊急品質監査や品質・コンプライアンス調査委員会による監査で防振ゴム問題の不正が発見できなかったことから、この緊急対策が十分ではなかったという認識を持っています。
一連の不正問題を総括し、真に実効性のある再発防止策とするため、上記反省を踏まえ、原因究明の調査に協力を得た外部法律事務所に、現行の再発防止策の内容評価と検証を依頼しました。
当社は、同法律事務所が取りまとめた提言を踏まえ、免震ゴム問題の再発防止策の各施策を「再確立を要する内容」と「充実強化を要する内容」に区分して整理を行ないました。
再確立を要する内容 | 免震ゴム問題の再発防止策の中で、不備のあった緊急対策やそのほか施策の実行が遅れている項目に関し、その反省を踏まえ、「緊急対策」として、優先的に行なうもの |
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充実強化を要する内容 | 現在、免震ゴム問題の再発防止策として進めている施策をより充実強化させ、また、防振ゴム問題を受けた施策を盛り込み、 「徹底対策」として、長期的視野を持って行なうもの |
これをもとに策定した「一連の問題に対する再発防止策」には、防振ゴム問題の不正に対する再発防止に直結する具体的な対策として、「検査成績書の審査に際してのエビデンス確認」「材料検査結果の記録およびその管理」「検査成績書作成業務における相互チェック機能の担保」なども含んでいます。
一連の不正問題の振り返り、反省 免震ゴム問題の再発防止策の検証 |
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信頼回復に向けて(一連の問題に対する再発防止策)
再発防止策の策定にあたっては、過去に起こした複数の不正の背景に立ち返り、これを根絶するというフレームで検討しました。
このフレームは2つの柱で構成されます。1つ目の柱は、原稿の防振ゴム問題への再発防止を点検し、不備のあったもの、進捗が不十分と考えるものを緊急的、優先的に見直して対処する、「緊急対策」。もう1つの柱は、免震ゴム問題の原因と類似性から機能する施策を生かし、長期的な視野を持って充実強化を図る、「徹底対策」です。
再発防止策の推進と管理
今回策定した一連の問題に対する再発防止策は、現行の免震ゴム問題の再発防止策において実施済み、および実施中の各施策を検証し、不備のあった内容の見直し、進捗が不十分な施策の再強化を図るとともに、免震ゴム問題の再発防止策のなかで継続的に強化・充実していく施策、本格稼動させる施策を網羅しています。
各施策については推進部門を明確にしたうえで計画、実行、進捗確認、軌道修正しながら、責任をもって遂行していくとともに、経営企画本部が全体の進捗管理にあたります。
また、緊急対策全般にわたり、JMACによる継続的な指導、定期的な状況確認を受けていくとともに、これらの全施策については社内外の取締役・監査役による進捗確認会を月例で開催して実効性を高め、これらの進捗については、HPを通して四半期ごとに公表を行ない、透明性あるものとしてまいります。
「網羅性」
「客観性」と「実効性」の担保
各施策の推進部門を明確に、計画、実行、進捗確認、軌道修正しながら、責任をもって運営する免震ゴム問題の再発防止策の検証 |
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緊急対策は、外部専門家による定期的な状況確認と指導を継続的に受ける |
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信頼回復対策の各施策は進捗確認会を月例で実施、定期的な状況把握と公表で客観的かつ実効性あるものにする |
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再発防止策推進と管理を行なう組織体制
再発防止策の推進にあたっては、各施策の推進本部を明確にし、遂行責任を本部レベルで負うかたちをとります。また再発防止策推進と管理を行なう本部を設け、全体進捗を見てまいります。
進捗報告 詳しくはこちら
※ご参考
2015年6月23日に公表した旧再発防止策は以下のとおりです。