2015年12月25日公表分
①全事業にわたる再監査の実施
免震ゴム問題の再発防止策の一環として実施した緊急品質監査、品質・コンプライアンス調査委員会による監査は監査、調査の実施方法が不十分であったと判断し、当社は2015年11月より、株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)に監査手法の確立等の支援業務を委託しました。当社は外部専門家の意見も踏まえて監査手法の検証、抜本的な見直しを行ない、より実効性のある再監査を全事業にわたって緊急に進めてまいります。
再監査への取り組みの進捗と課題
取り組み進捗 |
防振ゴム不正を発見できず
=免震ゴム問題の緊急対策に不備、監査・調査の実施方法が不十分 日本能率協会コンサルティング(JMAC)に監査手法の確立等の支援業務を委託(2015年11月)
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取り組み課題 |
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実行計画 | 工程計画 |
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2015年12月末 予定 |
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2016年3月末 完了 |
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2016年1月~2016年9月末 完了 |
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決定次第速やかに開始 |
JMACによる当社の監査手法の検証
緊急監査不備の背景 | JMACの検証見解 |
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①緊急監査は「市場に正規品が出荷されていること」の確認を目的に実施された。防振ゴム問題は、製品に関する不正ではなく、製品に使用される中間部材における製造工程段階の中の、抜き取り検査に関わる不実記載として、今回の監査では発見に至らなかった。 |
ゴム材料物性検査がQC工程表に記載されていなかったなど、文書化・マニュアル化が不十分であったことも、監査員が不正を発見することができなかった。 監査対象拠点や部門の問題点を監査前に確認し、その上であるべき工程管理の内容を確立し、それらの工程管理のもとで生産がなされているかを監査するスキームにしなければならない。 |
②品種毎に複数ある品番の中から生産の多い品番1点を代表サンプルとして監査対象に抽出していた。結果として、中間部材に顧客要求のない別の品番選定に至った。 |
再監査の実施内容
JMACとの協働により、①製品監査、②工程監査、③業務監査、④バリデーション監査といった新しい多重監査手法と徹底した体制で再監査に臨んでまいります。また、この過程において、品質保証業務の重要性、および見直した品質保証システムの内容について、全役員・従業員への周知徹底を図ってまいります。
①製品監査 | 正しい製品が出荷されている実態 |
②工程監査 | 正しい品質管理が行われ、全て記録が完備されていること |
③業務監査 | 正しい品質規格・品質設計と矛盾のない社内規定の設定 |
④バリデーション監査 | 品質設計の科学的根拠、各基準類が論理的であること |
②CI明石工場の抜本的改革
CI明石工場は多品種少量生産の工場であるため、現場が複雑化し、品質管理に必要なQC工程表*1などの整備が不十分でした。また、これらに起因して検査の実施業務や検査成績書の作成業務における業務内容の不明確さ、製造から出荷に至るまでの業務工程の不効率さを招いていました。CI明石工場における業務管理上の不備など諸課題を他に優先し、次の5項目を柱とした抜本的な改革を進めてまいります。
*1 「QC工程表」
品質管理上管理すべき管理特性と品質特性を工程ごとに明確にすることで、各工程における管理責任を明確化するとともに、測定方法や測定に使用する計測機器なども明確にした一覧表。
<抜本的な改革を進めるにあたっての5本柱>
(ⅰ) | 業務の明確化および業務工程全体の抜本的改革 |
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(ⅱ) | 検査成績書に関する不正行為を直接的に防止するための対策 |
(ⅲ) | 検査成績書の不正行為を制度的に防止するための対策 |
(ⅳ) | 技術および業務知識の引継体制の整備・強化 |
(ⅴ) | コミュニケーションの活発化 |
(ⅰ)業務の明確化および業務工程全体の抜本的改革
CI明石工場において、全製造業務のルール化・文書化の整備を抜本的に進めます。全工程フローの見える化、生データの保存方法、検査不合格の処理方法などのルール化を再徹底します。
不正発生原因 |
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取り組み課題 |
↓
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実行計画 | 工程計画 |
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2016年1月末 完了 |
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2016年1月末 完了 |
(ⅱ)検査成績書に関する不正行為を直接的に防止するための対策
検査成績書の作成においては作成・審査を別の者が実施し、審査者に記載内容照合時のエビデンスチェックを義務づけ、この徹底を継続しています。また、材料検査の結果に対して不正行為を介在させない業務フローを構築します。
取り組み進捗 |
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実行計画 | 工程計画 |
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2015年10月より継続 |
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2016年10月より継続 |
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2016年2月 完了 |
(ⅲ)検査成績書の不正行為を制度的に防止するための対策
CI明石工場の品質保証システムを現在より説明しやすく管理しやすい品質保証システムに見直し、不正を起こさせないしくみの構築をめざします。
取り組み課題 |
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実行計画 | 工程計画 |
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2015年11月より着手/2015年12月末 完了 |
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2016年2月末 完了 |
(ⅳ)技術および業務知識の引継体制の整備・強化
既存担当者が異動した際、新たな担当者(管理者を含む)への業務知識を早期に伝授するため、業務引継書を作成することを義務づけ、対応すべき業務に空白が生じないようにします。
不正発生原因 |
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取り組み課題 |
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実行計画 | 工程計画 |
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2016年1月末 完了 |
(ⅴ)コミュニケーションの活性化
不正を早期に発見、対処する組織風土を醸成するため、QC工程表整備完了時点で管理者と現場担当者の点検作業を行なうなど部・課内におけるコミュニケーションを促進し、品質保証の重要性を改めて現場にも管理者にも浸透させます。
不正発生原因 |
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取り組み課題 |
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実行計画 | 工程計画 |
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2016年1月より |
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2016年3月より開始 |
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2016年2月より予定 |
③品質保証・管理体制の再構築
品質保証・管理体制の再構築として、品質保証の組織体制をガバナンスやコミュニケーションの観点から強化を進め、品質保障システムの見直しに取り組み、改善を図ります。
(ⅰ)業務の明確化および業務工程全体の抜本的改革
本社の品質保証本部と各拠点の品質保証部門との連携体制をつくり、本社からのガバナンスを強化します。また、社外から品質保証業務の経験が豊富な人材を採用し、品質保証に携わる人材を増強、各拠点に品質保証本部の駐在員を配置し、拠点の人材育成にも注力してまいります。
さらに不正の端緒となる業務上の問題を素早く吸い上げるためのコミュニケーション促進方法や上位者への情報共有ルートを整備します。
課題と対策 |
→本社品質保証本部と各拠点の品質保証部門との連携を強化
→各拠点品質保証の長を本社品質保証本部籍に変更
→社外から品質保証業務の経験が豊富な人材を採用
→各拠点に品質保証本部の駐在員を配置
→コミュニケーション促進方法や上位者への情報共有ルートを整備
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実行計画 | 工程計画 |
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*品質保証組織の体制強化(組織改変と人員数増強) | 2016年3月めど |
(ⅱ)品質保証システムの見直しによる管理強化
JMACと協働で、製造段階における品質管理だけでなく、設計や生産準備段階での品質企画、および品質設計での改革に取り組み、品質保証システムを見直し、改善を進めます。
取り組み進捗 |
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対策 |
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実行計画 | 工程計画 |
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*品質保証システムの見直し、改善(国内) | 2016年9月完了/2016年10月より運用 |
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