緊急対策:CI明石工場の抜本的改革

2016年4月8日公表分

(ⅰ)業務の明確化および業務工程全体の抜本的改革

策定趣旨

JMACの再監査による指導のもと、CI明石工場の全業務工程を再点検し、管理体制の不備を洗い出し、業務改善(抜本的改革)を図ります。

公表計画と進捗状況

各検査項目やその基準、検査方法などの決定(2016年1月末完了) 予定通り
要求品質や工程機能への反映、文書化(2016年1月末完了) 予定通り

対策実施内容

  • 「ロットの定義」の規定、全体工程フローおよびQC工程図の再整備
  • 検査成績書作成要領を制定(データ保存方法の明文化)
  • 異常処理規定に抜取検査結果が不合格になった場合の対応方法を追記(処理フローの明記)
  • 工程検査規格に定期抜取検査および顧客要求による抜取検査等の項目を追加
    (材料規格外れゴム発生時の異常処理を明確化)
  • 上記、規定類の整備等を進め、運用を開始

今後について

「ロットの再定義」、「顧客認識と製造工程における管理の一致」、「QC工程図の整備」を活用し、出荷承認を含めた「全体工程フローの見える化」、「生データの保存方法」、「検査不合格の処理方法」などのルール化を完了しました。
製品の企画・設計段階では技術的裏づけを網羅し、各検査項目においてはその基準、検査方法などを再確認および見直しの上決定し、要求品質や工程機能へ反映させるとともに、出荷承認業務などの業務手順を詳細に文書化することで本来、個人の判断に委ねてはいけない部分を会社のルールへ改善しました。(JMACの品質保証システム監査での指摘事項に対しては、随時見直しを実施しています。)

(ⅱ)検査成績書に関する不正行為を「直接的に」防止するための対策

策定趣旨

試験に基づかないデータの検査成績書への記入を防止するため、データの証憑確認と照合の義務付け、材料試験の実施、検査成績書の作成、審査および承認はそれぞれ別の者が行なうことを規定した業務フローを、JMACの再監査による指導のもと、構築します。

公表計画と進捗状況

検査成績書審査時のエビデンス確認の徹底(2015年10月より実施) 予定通り
検査成績書作成業務における相互チェック機能の担保(2015年10月より実施) 予定通り
材料試験結果の記録・管理業務フローの構築(2016年2月末完了) 予定通り

対策実施内容

  • 検査成績書作成要領を制定し、作成/審査/承認の手順を明確化
  • 材料検査要領の見直し、材料試験の結果を記録・管理する際の業務を明確化
  • 定期的な工程内抜取試験(モニタリング)に関する工程内抜取監視要領を作成
  • QC工程図「材料試験 QC工程表」を作成し、材料試験のフローを明確化
  • 上記、規定類の整備等を進め、運用を開始

今後について

試験に基づかないデータの検査成績書への記入を防止するため、検査をする人、検査成績書を作成する人、審査・承認をする人を明確にしました。また検査成績書作成時のエビデンス確認、相互チェックは2015年10月より開始しております。
当該問題の公表以降、増加傾向にあるお客様からの検査成績書提出の要望に対し、品質保証本部を主とした他部門からの応援や明石工場の品質保証課の増員を行ない対応しています。
今後は、さらに品質監査システムを見直し改善を進めてまいります。

(ⅲ)検査成績書の不正行為を「制度的に」防止するための対策

策定趣旨

JMAC指導のもと、管理しやすく、不正が起こらない品質保証システム構築のため、全工程が明確に整理され、また顧客要求事項等の検査項目を明記したQC工程図を整備します。

公表計画と進捗状況

CI明石工場の「防振ゴム」のQC工程図の整備(2015年12月末完了) 予定通り
CI明石工場の全工程(防振ゴム以外の品種)ごとのQC工程図の整備(2016年2月末完了) 予定通り

対策実施内容

  • QC工程図にて顧客要求を明確化
  • QC工程図に管理特性と品質特性を明確に分けて記載

今後について

CI明石工場におけるQC工程図の整備について、防振ゴム製造工程は2015年12月末に、その他品種の製造工程においても2016年2月末に完了しました。
QC工程図の整備や関係者の教育は、不正の抑制につながると考え、JMACによる品質保証システム監査での指摘を踏まえたQC工程図の見直し作業も進めております。今後、継続的改善が必要な品質システムは、自社内で随時進めてまいります。

(ⅳ)技術および業務知識の引継ぎ体制の整備・強化

策定趣旨

担当者が異動した際、技術や業務が担当部署内で適切に引継がれ、新たな担当者(管理者を含む)が業務を正しく履行するため、業務知識の伝授を早期に行う業務引継書の作成を義務づけます。

公表計画と進捗状況

業務引継ぎルールの再規定(2016年1月末完了) 予定通り

対策実施内容

  • CI明石工場の業務引継ぎ規定を作成し、係長以上の業務引継ぎ方法を明確化

今後について

既存の担当者が異動した際、新たな担当者(管理者を含む)への業務知識を早期に伝授するため、対象を従来の工場長のみから、係長以上に拡大・義務付けた「引継ぎ規定」を作成しました(2016年3月完了) 。

(ⅴ)コミュニケーションの活発化

策定趣旨

CI 明石工場の品質保証部課内のコミュニケーションを活発化することにより、不正の早期発見および根絶をめざします。対策として、管理者と現場担当者による点検作業を通して、品質保証の重要性を現場・管理者に浸透させ、同時に信頼関係構築を促進していきます。
また、社外から採用した品質保証業務経験者による人材育成を進めてまいります。

公表計画と進捗状況

QC工程図を通じた部課内点検活動(防振ゴム関連)(2016年1月より実施) 予定通り
QC工程図を通じた部課内点検活動(防振ゴム関連以外)(2016年3月より実施) 予定通り
人材育成活動(2016年2月より実施) 予定通り

対策実施内容

  • 新規作成QC工程図による教育訓練を実施

今後について

再監査への取り組み(監査不適事項の改善)を通して、部門内・部門間コミュニケーションの活性化が図られ、また、さらなる活性化への取り組みとして、改定したQC工程図をツールとした教育訓練を全ての課で完了しました(期間:2016年1月~3月中旬)。今後、定期的およびQC工程図改定時での教育訓練の継続的実施、および社外からの採用者を講師とした教育訓練を開始します。