タイヤは路面と接する唯一のパーツとして、自動車に求められるさまざまな性能を満たす上で大きな役割を担っています。CASEの到来といわれ、モビリティ社会が大きな変革期を迎えている今、自動車タイヤにもさらなる進化が求められています。
タイヤには「モビリティの進化」を支える明確な性能や機能をスピーディに実現していくことが求められています。そのためには、設計の高精度化・高速化が非常に重要です。
従来のT-mode(タイヤ構造解析=タイヤシミュレーション、車両挙動解析=ドライビングシミュレーション)に、AI技術を用いた設計支援技術を組み込み、更にシミュレーション技術を進化させ、新たに「T-MODE」としてタイヤ開発プロセスをより高度に進化させました。
第7世代のHPCシステム(High- Performance Computing system)を新たに採用したことにより、処理能力が3倍になり、機械学習データの自動生成や、超並列処理技術・多重処理能力の強化を実現しました。
実際のタイヤのさまざまなパターンデザインを用い、自動車運転時の使用諸条件(タイヤへの荷重や車両の走行速度)、さまざまなホイールや車体形状といった個別条件を組み合わせ、これらの条件下でのタイヤ変形を考慮した上で、タイヤ接地転動状態でのタイヤおよび車両の空力特性を解析・予測できるシミュレーションレベルは業界でも例がありません。
新しいT-MODEのプラットフォームは、各種データを共通資産として一元管理し、設計者の間で共有します。
設計者が実施したシミュレーションデータは、共有サーバーに自動蓄積され、データベース資産として新たな解析・予測に活用され、設計の効率化、高性能化につなげることができます。
新しいT-MODEのプラットフォームでは、各種データを共通資産として共有サーバーで一元管理。
それらの設計データ、シミュレーションデータ、および実験データを関連づけることで、データとしての付加価値が高まり、学習データとして展開することを可能にしました。
従来は、設計仕様をインプットしてシミュレーションを実行し、タイヤ特性値を獲得していました。
もし特性値が要求を満たしていなければ、再度シミュレーションを行うため、全体のプロセスタームは長くなってしまいます。
SPDMを活用したT-MODEは、要求性能値をインプットすれば、機械学習によりリアルタイムでタイヤ特性値を獲得することが可能になります。