タイヤの原材料であるゴムは、カーボンブラックやシリカなど様々な材料で構成されており、その分子構造や配合物の特性が複雑に関係し、タイヤとしての性能を生み出しています。これらタイヤを構成する材料をナノレベル(1ナノ=10億分の1メートル)で「予測」「機能創造」「精密制御」「観察発見」することによって、理想的なゴム材料を高精度に開発する。それがTOYO TIREのNano Balance Technologyです。
TOYO TIREは、ゴムの微視的構造から、エネルギーロス(粘弾性)のマスターカーブを得るグラフ化技術「ナノタンデルタ(tanδ)シミュレーション」を確立。業界初となるこの技術により、低燃費性能を示す「低周波領域」、Wetグリップ性能を示す「高周波領域」において、ゴム素材がどのような特性を持っているのかをグラフ化して定量評価することが可能となりました。
優れた原材料を用いても、その性能を最大限に引き出す加工技術がなければ、本来の性能を得ることはできません。ナノ加工では、シリカ配合を精密混合、温度制御することで、シリカとカップリング剤の反応を精密制御。これにより、ポリマーとシリカを効率よく結合させることが可能となります。
3次元観察技術の確立により、タイヤコンパウンド中のネットワーク構造を、立体的な動きの中でより精密に観察。Nano Balance Technologyを用いて作られた、最新配合ゴムにより、均一分散制御ができるということが、確認可能となりました。
世界最大級の放射光施設 SPring-8を利用し、業界初となる動的環境下でのX線フィラー構造情報の取得技術を確立。フィラー分散性だけでなく、摩耗性や耐久性につながるゴムの補強性評価も可能になりました。