• TOP >
  • 社員インタビュー >
  • 挑戦のその先 法務部

INTERVIEW|挑戦のその先 競争を勝ち抜くために、模倣品を訴えた裁判に挑んだ。 INTERVIEW|挑戦のその先 競争を勝ち抜くために、模倣品を訴えた裁判に挑んだ。
2006年 入社
法務部法学部法律学科卒

入社後のキャリア 入社後のキャリア

大学で学んだ法律の知識を「企業法務」という分野で生かしたいと思い就職活動をしている中で、TOYO TIREの採用担当の方が親身になって話を聞いてくださり、アットホームな会社という印象を受けたので入社を決めました。その思いがかない、入社後は希望通り法務部に配属。以来、法務畑一筋でキャリアを重ねてきました。7年目には、勉強も兼ねて米国ロサンゼルスにある北米事業統括会社(Toyo Tire Holdings of Americas Inc.)に赴任。その後正式な駐在員となり、2015年に帰国するまで、トータル3年余りを現地で過ごしました。

帰国後は、再びTOYO TIREの法務部の一員として、社会的信頼の醸成にむけた全社活動を法律面から支える仕事に奔走。1年前にはタイヤ事業担当のチームリーダーを任され、現在はメンバーに仕事を割り振ったり、進捗状況を管理するといった仕事も担当しています。企業法務の面白さは、法律の専門知識を生かして企業活動におけるリーガルリスクを軽減し、事業の安定的な運営を支える重要な役割を担うところ。入社以来さまざまな案件に関わり、その最前線をつぶさに見聞きしたことは、私にとってこの上ない経験でした。

今の仕事 今の仕事

企業は、さまざまなリスクにさらされています。そのリスクを法律というツールを駆使して未然に防ぎ、リスクの影響を最小限にとどめることで事業を円滑に運ぶ環境を整えるのが法務部の使命です。法務部の仕事は、多岐にわたります。中でも大きな比重を占めるのは、契約書にまつわる業務。共同研究契約、守秘義務契約、売買契約、業務委託契約など、取引先と交わすさまざまな契約書の原案を作成したり、取引先から提示された契約書案に自社の不利益につながる内容が含まれていないかをチェックするのが私たちの仕事です。また取引先と予期せぬトラブルが起きた場合、その法律的な解釈や適切な対処の仕方を社内部署にアドバイスしたり、他社から権利侵害があった場合などに訴訟も含めた対策を適宜弁護士と連携して検討し、実行にあたるのも法務部の重要な仕事です。

私たちが日々直面する問題は、法律が複雑に絡み合い、法律の専門知識がなければ、何が自社の利益なのかさえわからなくなります。そうした問題を法的な観点から分析し、解決策を論理的に導きだしていく面白さは、法務の仕事の最大の魅力。仕事をする上での原動力といっていいのかもしれません。

▲ページTOPへ

数千もの資料をひとつひとつ精査。気の遠くなるような膨大な作業と格闘。

米国駐在時代、模倣品への対抗策として起こした訴訟への対応は、何もかもが初めての経験で、私にとってはかつてない挑戦でした。私が米国の現地法人に赴任していた当時、北米市場では当社のSUV/ピックアップトラック用大口径タイヤが大ブーム。模倣品も後を絶たず、重大な権利侵害として模倣品の製造会社や販売会社を訴えました。米国の法制度では、訴訟当事者は、証拠書類や証人を互いに開示しなければなりません。そこで製品の開発から販売にいたる過程で行なわれた会議の議事録や技術者や営業担当等がやり取りしたメールの記録を、証拠書類として提出するために日本から準備します。

ところが資料の中には企業機密に属するものを含んだ記録や相手方に攻撃材料を与えかねない書類もある可能性があり、事前レビューの必要性があります。数千点にものぼる書類のデータを携えてワシントンD.C.に飛び、当社弁護士の事務所を訪ね、書類やメールの記録をひとつひとつ精査していくのは気の遠くなるような作業でした。特に日本語の記述は主語と述語が曖昧で、私のつたない英語では、現地の弁護士に意味するところを伝えるのにも四苦八苦。英語にはそうした曖昧さは一切ないだけに、文化の違いも痛感せずにはいられませんでした。

挑戦で得たもの It's not the end of the world- まずはやってみるという思考の大切さ。

模倣品をめぐる訴訟案件を通じて、私はとても大切なことを学んだ気がします。それは、「まずはやってみる」という思考を持つことの大切さです。米国法人で一緒に仕事をしていた米人のスタッフや弁護士は、難しい局面に遭遇すると、しきりに「It's not the end of the world(世界の終わりじゃないよ)」、「It's not rocket science(ロケット工学より簡単さ)」と口にします。どんなに最悪の状況に見えても、いざやってみるとそれほどでもない。挑戦する前から「どうせダメに違いない」とあきらめて、何もしないのがいちばんいけないのだ——。私には、そんな教えを含んだ言葉に聞こえました。模倣品を訴えた裁判の対応をした時も、膨大な事務作業にかかる手間と時間を要することから自分の中でためらう気持ちがありましたが、現地スタッフの同僚が「失敗してもいいから、やってみたら」と私に言葉をかけてくれたことがキッカケで重い腰を上げることができました。

そして実際に取り組みを始めてみると、証拠書類を準備する段階で当社に有利な材料となる資料を発掘。この裁判を含め模倣品に対する法的措置には米国赴任中いくつか携わり、現在も継続して日本からサポートを行っているものもありますが、大部分で当社の実質的な勝訴に終わり、北米市場における自社製品の優位性を守ることができました。「企業活動におけるリーガルリスクの低減」という法務の本来の使命を果たすことができたことで、大きな自信にもなりました。また、現地弁護士と共に、数日かけて書類のレビューや議論をする中で、弁護士の物の考え方を理解し学ぶことができたことも、大きな成果でした。挑戦から学んだもの、それは挑戦することの大切さだったのかもしれません。挑戦することで、その結果がどうであれ、何か得る(学べる)ものが必ずあると思います。

壁を乗り越えるために必要だと思うこと 「案ずるより生むがやすし」という心構え

▲ページTOPへ

PRIVATEPRIVATE

休みの日は、もっぱら子どもたちの相手をして、時間を費やすことが多いですね。子どもは、1歳と3歳。いちばん手のかかる時期で、少しでも目を離すと何をしでかすか分かりません。「時間を費やす」といいましたが、本当は「費やさざるをえない」といった方が正確かもしれません(笑)。

▲ページTOPへ

その他、社員インタビューはこちら

Interview 挑戦のその先Interview 挑戦のその先
  • 材料開発部材料開発部
  • 法務部法務部
  • 米州事業推進部米州事業推進部
  • OEタイヤ開発部OEタイヤ開発部
Interview 若手の挑戦Interview 若手の挑戦
  • 欧州プロジェクト推進室欧州プロジェクト推進室
  • 事務系 経理部事務系 経理部
  • 事務系 国内営業 株式会社トーヨージャパン事務系 国内営業 株式会社トーヨージャパン
  • 技術系 OEタイヤ開発部技術系 OEタイヤ開発部
  • 技術系 REタイヤ開発部技術系 REタイヤ開発部
  • 技術系 材料開発部技術系 材料開発部
  • 生産技術開発部生産技術開発部
  • 技術系 中央研究所 第一研究部技術系 中央研究所 第一研究部