宮城県名取市 みょうがたけ生産者
大内伸一さん
みょうがというと、一般的につぼみを食べる「花みょうが」をイメージされるかも知れませんが、この地区で栽培されてきたのは茎を食べる「みょうがたけ」です。えぐみが少なく、清涼感があり、シャキッとした歯触りが特長ですが、実はとても手間のかかる野菜なんです。
露地栽培で根株を大きくしてから室(むろ)に植え返し、収穫までには1年半ほどかけます。藁を葺いた室で栽培する軟白栽培によって、柔らかく、白く、えぐみが少ないみょうがに育ちます。10㎝くらい伸びた時に、太陽を浴びせ根元を「紅付け」をするのですが、これが難しい。みょうがたけの伸びと、日光や温度などの条件がピッタリ合わないといい色が出ないんです。父親に温度などの条件を聞くのですが、それは数値化できるものではなく、すべて長年の経験と腕だけが頼りなんです。
紅付けがきちんとできていないと、『仙台みょうが』として出荷することが許されません。ですので、紅色はブランドとしての象徴なんです。パック詰めの際にも、この紅色を強調するために、紅色で富士山の形になるように仕上げるのですが、熟練の技術がいるので、この仕上げ作業だけは今でも父親がやっています。
出荷場で出荷前に色のバランス・彩度をもういちど検査。出荷作業を終えた時、初めて商品を作り終えたという感じがしますね。重労働の上、技術が必要なので、なかなか後継者がいない品種ですが、なんとしてもこの伝統野菜を守っていきたいと思っています。
トーヨータイヤ物流株式会社
佐藤恵子
私たち出荷担当の大切な作業のひとつにラベル貼りがあります。タイヤに貼るラベルには、品番・タイヤサイズ・パターン等が記載されています。お客様はこの情報を見てタイヤを購入されるので、万が一にも実際のタイヤと相違があれば、商品価値を失うのはもちろん、品質に対する信頼も失ってしまいます。まさにラベルは商品としてのタイヤの一部であり、ブランドの一部だと思っています。
すべての工程を経て完成したタイヤは、私たち出荷担当のところまでラックで搬入されます。まず行なうことは、誤出荷を防止するためのラックに貼られている入庫荷票とタイヤの品名の確認です。
間違いがないことを確認したら、専用の読み取り機で入庫荷票のバーコードを読み取り、パソコンにデータを送ります。すると、オートシェルフ(自動ラベル回転棚制御設備)が起動し、該当するラベルが出てきます。このラベルを受け取り、実際の商品と照合しながら、一枚一枚丁寧に貼っていきます。工場のみんなで心を込めてつくったタイヤが、お客様のもとに届けられる商品となる瞬間です。
各担当者はそれぞれ1日に2,000枚ほどのラベルを貼っています。ラベルは私たちが胸を張って品質を保証するいわばタイヤの卒業証書。出荷する商品の最後の仕上げという思いで細心の注意を払い、真心を込めながら業務に取り組んでいます。
ここ宮城から、世界に驚きと感動を届けたい。一本のタイヤに、技術と情熱のすべてを込めて。日々、新たな挑戦を続ける仙台工場の様子をご覧ください。