宮城県仙台市若林区 仙台雪菜生産者
相澤幸義さん
六郷地区は県内一のレタス生産量を誇るなど、技術力が高い地域と言われています。平成19年には大豆・麦の転作を共同で行なう組合「南部実践組合」を立ち上げ、軌道に乗りつつありました。
そこに東日本大震災。機械を全て失った人もいれば、やむなく農業継続を断念した人もいました。それでも、なんとかこの地域における農業再開を後押ししたい、勇気づけたいという想いから、換地や利用権設定等の調整、農地集約の促進、そして組織を再編して農業組合法人「六郷南部実践組合」を設立するなど尽力してきました。新たに枝豆の栽培や、農機具・施設の共同利用など様々なことにチャレンジし、次世代に農業をつないでいこうと試行錯誤しています。
わが組合には、品目ごとにプロフェッショナルがいます。その中には、仙台の冬の代表的な野菜である「仙台雪菜」を栽培してきた人もいて、震災後もその経験を生かし、伝統野菜の栽培を続けています。
雪菜は、名のとおり降雪時期の寒さに耐え、旨味を蓄えます。霜にあたると甘味が増し、苦みとほどよく調和して雪菜独特の風味が出ます。
この雪菜のように、厳しい時代を越えて、皆でいっしょに苦労しながら地域の農業の育んでいきたいですね。将来的には雇用も増やし、次世代農業の可能性を拓いていきたいと思っています。
TOYO TIRE株式会社 成型課
藤澤丈
成型機を使ってタイヤの元となる「生タイヤ」を作ることが私たち成型課の仕事。通常は前工程で作られたカーカス、ベルト、トレッド、ビードなどの各部材を受けて、一本の生タイヤに組み上げていくのですが、私が所属する成型課4班では、前工程である押し出しやカレンダー工程までが一体となった特殊な工法を採用しています。言ってみれば独立した小さな工場のような形で成型を行なっているわけです。大きさや幅、厚さが違うさまざまな種類のタイヤを作っていくので、常にスペックに留意しながら仕事を進めています。
特に苦心するところは、手作業で部材を重ねていく作業。ジョイントの部分の重なりが大きすぎても、小さすぎても振動・ゆれ・音、そして性能にも影響してきます。部材づくりも含め自分たちで成型し生タイヤに仕上げていますので、責任はすべて自分たちにあります。
特殊な工法だからこそ、環境安全課・保全課・技術課・品質保証課などの他部門のサポートが必要になります。このつながりがあってこそ、ひとつひとつ成型の品質につながっていると感じています。
技術をつなぎ、力を合わせるからこそ生まれる品質。チームワークの力を実感しながら、日々の成型作業を進めています。
ここ宮城から、世界に驚きと感動を届けたい。一本のタイヤに、技術と情熱のすべてを込めて。日々、新たな挑戦を続ける仙台工場の様子をご覧ください。