宮城県気仙沼市唐桑町 牡蠣生産者
畠山政也さん
通常の牡蠣は、出荷まで1年半から2年ほど。それに対し、『もまれ牡蠣』は3年もの歳月をかけて育てるので殻からこぼれ落ちそうなほどの大ぶりな身になります。ぎっしりと詰まり、ふっくらとした身は、旨みが凝縮された濃厚な味わいです。
山に囲まれている唐桑半島では、豊富な植物プランクトンが湾に注ぎ込むので、元々牡蠣にとっては最適な環境なのですが、『もまれ牡蠣』はさらに手間をかけることによって、栄養を豊富に蓄えたブランド牡蠣へと成長します。
その育て方はまるで子どもを育てるのと同じ。筏へ吊るしておくだけでなく、小さいころは穏やかな内海でかわいがって、ある程度大きくなると「かわいい子には旅をさせろ」というように、厳しい荒波にもまれさせるわけです。
それだけでなく、夏場には微生物を死滅させて牡蠣にだけ栄養が行くように、70~75度のお湯に20秒ほど浸ける「温湯処理」も施します。
『もまれ牡蠣』の芳醇な味わいの秘密は、先代から培ってきた独自の育成方法にあると思っています。手間ひまをかけて育てあげた牡蠣が評価されることが、何よりうれしいですね。
TOYO TIRE株式会社 加硫課
小室大紀
成型されたタイヤの原型「生タイヤ」を加硫機に入れ、完成品へと仕上げていく加硫課。熱と圧力を加えることによって、タイヤの形状やトレッドパターンを作り出すだけでなく、ゴムと硫黄の分子が結合し、弾力性と耐久性が生まれるんです。
私は今、ロットの切り替えの際に商品のサイズや形状にあわせて加硫機のプレス時間・高さなどを変える「段替え」を担当しています。
段替えにおいて欠かせないのが「初物検査」。切り替えたモールド(型)に不具合がないか、設定にミスがないかなどの事前確認はもちろん、設定変更後に加硫した1本目のタイヤは必ずその場でチェックします。万一異変があれば、すぐにモールド班に連絡し正常なモールドに取り替えます。
加硫機も日進月歩でどんどんと進化しますので憶えることが多くて大変です。でも段替して1本目ができあがると「ああこのタイヤが出荷されるのか」という感慨がありますね。自分の設定どおりに焼き上がったタイヤが商品になり、市場に出荷されることに醍醐味を感じています。
前工程まで同僚が積み上げてきたものをしっかり製品に仕上げていく、その大切な任務を背負っていることに誇りを持って作業を進めています。
ここ宮城から、世界に驚きと感動を届けたい。一本のタイヤに、技術と情熱のすべてを込めて。日々、新たな挑戦を続ける仙台工場の様子をご覧ください。